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 本日、かつしかシンフォニーヒルズで行われた、タカラトミーの「第65回定時株主総会」に行ってきました!
 この1年間、個人的にはトランスフォーマー以外のタカラトミーの商品にはあまり注目していなかったのですが、そんな事もあって、この1年のタカラトミー全体の事業内容や現状を知れる機会としても楽しみにしていました。
 今年の株主総会は、昨年まで続けられていたお土産を今回から廃止する事が事前にアナウンスされていましたが、それに加えて、昨年会場入口近辺で行われていた「特別販売コーナー」も無く、また一昨年と昨年の総会終了後に行われていた「新中期経営計画発表会」も有りませんでした。それにより総会の時間自体も短かった為、今回は1件の記事で掲載します。

関連記事:
 ・「㈱タカラトミー 第64回定時株主総会」レポート(パート3)(2015年6月28日更新)
 ・「㈱タカラトミー 第64回定時株主総会」レポート(パート2)(2015年6月26日更新)
 ・「㈱タカラトミー 第64回定時株主総会」レポート(パート1)(2015年6月25日更新)


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 管理人が会場に到着したのは午前9時30分を少し過ぎたあたりで、会場では既に受付が始まっていました。
 今年の株主総会は会場内の展示物がほぼ全部撮影禁止でした。その中でただ一つ、巨大なコンボイのスタチューだけが写真撮影可能になっており、このスタチューと並んでの写真撮影をスタッフに頼む事も出来るようになっていました。なお、このスタチューは過去のトランスフォーマー関連イベントで展示されていた物と同じ物です。
 この他には「スマポン」「ベイブレードバースト」「リカちゃん」「プラレール」、そしてこれまでのタカラトミーの株主優待品も展示されていました(2013年~2015年の優待品は実物展示、残りはパネルで紹介)。なおベイブレードバーストだけは試遊が可能になっていました。
 余談ですが、CSR活動を紹介したパネルでは、このパネルの為の撮りおろしと思われる「MP-10 コンボイ」の写真が、他のタカラトミーの代表的な玩具と共に使用されていました。
 総会開始前のホール内のスクリーンには、タカラトミーの主な商品のコマーシャルフィルムや、現在タカラトミーが関連商品を発売している「カードキャプターさくら」の第1期シリーズのオープニング映像や「劇場版ポケットモンスター ボルケニオンと機巧(からくり)のマギアナ」のコマーシャルフィルム、そして「東京おもちゃショー2016」の様子を撮影した動画が上映されていました。また、ホールの左右には巨大な6枚の横断幕(昨年掲出された物と同じ物)が掲出されていました。

1.社長挨拶
 ハロルド・ジョージ・メイ社長による挨拶。ここで、定款の定めにより、メイ社長が本総会の議長を務める事が発表されました。
 また、この中で「招集通知の内容に一部訂正が有る事(訂正内容は公式サイトで公開済)」「質問は事業報告、議案上程の後に一括して受ける」「執行役員も出席している」事も話されました。

2.定足数の確認
 「定足数」とは、株主総会を行うに当たって最低限必要とされる出席者の数です。
 本総会は定足数を上回った為、問題無く開催されました。

3.監査報告
 監査役からの監査に関する報告。タカラトミーやその取締役の、法令や定款(会社の憲法)への違反の有無や、不正の有無について報告されます。
 タカラトミーは会社・取締役共に、法令や定款に違反してはおらず、また不正も無いとの事でした。また上程される議案や書類についても、同様に不当は無いとの事でした。

4.事業報告
 タカラトミーの平成27年4月1日~平成28年3月31日の事業報告が、スクリーンに映像を流す形で行われました。
 報告の内容は、「第65回定時株主総会招集ご通知」の36ページ~37ページの「ハイライト」や、38ページ~43ページの「連結業績概要」、そして44ページの「対処すべき課題」等の内容をそのまま読んで行く形で進められていきました。

 ・第65回定時株主総会招集ご通知(タカラトミー公式サイト、pdfファイル)

 ハイライトの中では、売上高が8四半期連続で前年同期を上回り、国内では定番商品が好調だった他、「モコもじオリーナ」や「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」等の関連商品が人気を集め、営業利益が前年度よりも9.4%増加した一方で、欧米やオーストラリアで展開しているTOMY Internationalグループ(以下TIグループ)の事業立て直しに関連した特別損失が発生しており、これによって3月期決算は赤字になったとの事でした。
 また、昨年6月の株主総会後のメイ社長と富山会長の就任や、TIグループとタカラトミーの一体化経営加速の為にメイ社長がTOMY Holdings, Inc.の最高経営責任者(CEO)を兼任した事等、社長の就退任に関する報告も有りました。

5.議案の上程
 議案は、「第65回定時株主総会招集ご通知」の3ページ~35ページを参照して下さい。以下はその簡単な解説です。
 第1号議案 … 所謂「配当金の金額の決定」。
           期末配当は1株当たり5円とされており、昨年12月に実施された中間配当(1株当たり5円)と合わせて、
           1株当たり10円とされています。
 第2号議案 … これまで取ってきた、所謂「敵対的買収」に対する対応方針(防衛策)の継続。
           なお、内容に変更は有りません。
 第3号議案 … 本総会終了の時をもって取締役6名全員が任期満了となる為、新しい取締役の選任。
           なお、新任の取締役はおらず、全員が再任です。
 第4号議案 … タカラトミーの執行役員や従業員、タカラトミーの子会社の取締役や従業員等が賞与等の一環として
           タカラトミーの株式の交付を受ける際、その額や具体的な内容の決定をを取締役会に委任する事。
 この後、株主と取締役の質疑応答となりました。
 質問の内容は「議案に関するもの」か「タカラトミーの事業・商品に関するもの」に限られていると共に、「質問は1人当たり1問」とされていました。
■昨年、ベイブレードバーストと共に「2つのBIG BET(最重点商品)」として発表していた「スナックワールド」が何も動いていないが、どうなっているのか。
→ベイブレードは1999年に第1世代を、2009年に第2世代を展開した。トレンドは6年のサイクルで繰り返されていると分析した結果、第2世代から6年後の2015年に新シリーズを展開する事を決めた。現在ボーイズ事業では一番の実績を上げている。スナックワールドについては、レベルファイブとの企画は進んでいる。(レベルファイブ側で)詳しい情報が解禁できるまでには至っていないようだが、7月に情報解禁が有るのではないかと思う。(鴻巣取締役)
→訂正:ベイブレード第1世代が展開したのは2000年。(メイ社長)

■「プリパラ」について。当初はタカラトミーとタカラトミーアーツで商品展開していたが、タカラトミーアーツ1社で商品展開するようになってから、アパレル等の一部商品が発売されなくなった。今後商品の種類を絞って行くのか。
→昨年までは、前身の「プリティーリズム」の流れから2社共同で展開していたが、連携するような商品も必要となった他、担当がプログラムする必要も生じた為、1社での展開になった。プリパラは7歳くらいを対象としているが、ファンに愛される商品にしたい。(鴻巣取締役)

■「トランスフォーマー」の「マスターピース」シリーズについて。アジアで流通している物には購入者特典が付いている。最近までこれはメダルだったが、これから発売される物は、買った商品と連動して遊べる武器になった。一ユーザーの視点から「これ(武器)は良いな」と思ったし、初回生産・再販のどちらにおいても販促に繋げられる。検討をお願いしたい。
→アジアでのトランスフォーマーの商品展開はハズブロと共同でやっている。貴重なご意見として頂く。(沢田執行役員)

■事業報告をセグメント別に見ると、欧州の売上が少ない。海外戦略はどこを重点的に進めるのか。また、10年後の日本以外の地域構成の展望はる有るのか。
→特別損失の大半は欧州が原因。その半分は為替差損で、ユーロ/ドルの為替が25~30%変動した事が原因。もう一つは欧州の取引先が在庫期間を12週間から6週間に短縮した事で価格競争が起こった事。現在は管理体制を本社主導にしており、取締役の選任も本社で行っている。ロシア等のリスクの高い地域では直販を行わずに代理店を使っている。リスクが取れない商品からは思い切って撤退している。購買力が高い地域には高額商品に力を入れ、購買力が低い地域には低単価商品に力を入れている。(メイ社長)

■「プリパラ」について。去年開催されたイベントは好評だったが、一部のユーザーが独占したり、限定品がネットオークションに流れたり、イベントに入れないといった問題も有った。今年もイベントが開催されるが、これらの問題への対策は出来ているのか。
→イベントの問題は場所と運営の問題で、(タカラトミー)アーツも対策を検討していると思う。限定品の数量もアーツで検討していると思うが、資料が無い為、詳しい回答は差し控えたい。日々勉強しなければと考えている。(鴻巣取締役)
→私もイベントには出来る限り行っている。これからもイベントには出来る限り足を運びたい。(メイ社長)

■東日本大震災以降、アナログゲームの存在感が増してきているが、この流行にどう対応するのか。
→「人生ゲーム」は現在7代目。縁結び人生ゲーム(出雲縁結びポケット人生ゲーム)等の、地域とコラボした商品も展開している。「黒ひげ危機一発」は最近テレビで取り上げられて注目されている。どちらも50年近く続いている商品だが、60年、70年と続くようにしたい。玩具売場ではデジタルゲームに押されているが、(需要が高まる)秋や年末には、プロモーションの仕方も含めて検討したい。(鴻巣取締役)
→タカラトミーの強みの一つはアナログ玩具。これは大事だし、これは今後も変わらない。しかしデジタルをアナログに取り入れるのも大事で、「おもちゃ4.0」がそれに当たる。流行に敏感になりながら商品展開したい。(メイ社長)

■ベイブレードバーストのベイターミナルに不具合が有り、持っているもの(ワインダー)で動かす事が出来ない。いつ直るのか。
→(筐体には)村田製作所のNCチップを使っている。新技術の筐体には不具合が有り、一時的にストップした。不具合は直してあるので、6月末には案内出来る。(鴻巣取締役)

■新中期経営計画は1年目、2年目共に(最終損益が)損失になっている。改善策は有るのか。
→原因は純利益の毀損。社内では、新中期経営計画は売上高を上げて利益を出すという認識。国内は順調だが、海外で純損失が出ている。膿は出し切ったので、今後は売上で利益を底上げ出来るはず。(小島取締役)

■「ガガンガン」について。タカラトミーの商品で久しぶりに買いたいと思った商品だったのだが、今後の展開が発表されていない。公式サイトでは「バック(後退)が出来ない」というアンケートの回答も掲載されていたが、今後の展開はどう考えているのか。
→今期は「ボトムズ」とのコラボ商品を発売した。戦隊ロボのようなものを考えていたが、ターゲット(子供)の遊びの方向性とは異なるものだった事が分かり、ボトムズとコラボした。今後の商品展開の方法については研究する。(鴻巣取締役)

■(週末で玩具が売れる前の日の)毎週金曜日に、イトーヨーカドーの玩具売り場をチェックしている。バンダイは3~4人のスタッフが来て売り場を綺麗にして、上映されているプロモーション映像も変えているが、タカラトミーではそういう事をしていない。壊れたサンプルはそのまま散乱しており、チラシは補充されておらず、高価なものは(在庫が売り切れて)パッケージの実物が見れない。これは企業イメージにもかかわる。売り場作りにもっと力を入れて欲しい。
→ごもっとも。入社した時に全く同じ気持ちだった。どれだけ良い商品やマーケティングでも、売り場がダメなら売上に繋がらない。専門に担当する新会社(タカラトミーフィールドテック)を設立し、何千店舗で行っているが、まだ足りない。タカラトミーフィールドテックを使って、良く見えるように(売り場側と)交渉する。(メイ社長)

■メイ社長が出演した「ガイアの夜明け」がきっかけで、株を買った。しかし子供向け企業なのに、取締役の顔ぶれは他の一般企業と変わらない。今後の登用についてはどう考えているのか。
→今の子供の間の流行やトレンドに敏感になる為に若返りを図った。幹部の平均年齢は5歳下がっている。これは新商品作りに与える影響の一つになっている。入社や給与に関して男女で区別してはいない。社員は男性が多いが、女性は2年間で20%増えた。20代と30代の男女比は半々になっている。現状では取締役になれる女性幹部は現れていないが、近い内に現れると思う。(メイ社長)

■「リカちゃん」の情報発信について。ツイッターを活用した情報発信は成功しているが、アナログ世代への情報発信にも力を入れて欲しい。リカちゃんにはストーリー性は有るのか。
→リカちゃんには力を入れている。「ブランド」と呼べるのに一番近いのがリカちゃん。そこでツイッターを活用して魂を吹き込んだ。この後に大人のリカちゃんを限定発売したが、3日で完売した。これを受けて、店頭で買える商品の「ビジューシリーズ」をスタートした。リカちゃんのストーリーは家族構成等、確立されている。あとはマーケティングに生かせるかどうかが課題。(メイ社長)

■リカちゃんよりも「ジェニー」が好きなのだが、最近の「刀剣乱舞」ブームにあやかって、新選組や武将(織田信長等)をモチーフにしたものを出せば売れるのではないか。
→貴重なご意見なので、ありがたく頂戴したい。(メイ社長)

■株主総会の運営について。他の殆どの企業は午前9時から受付開始しているが、今日ここに来たら受付しておらず、9時30分から受付開始だった。9時受付開始にするか、開会時間を遅らせて欲しい。
→貴重なご意見。次回の総会開催の際に検討する。(メイ社長)

■ニュースサイトでスマートフォンゲームの重課金問題について取り上げていたのだが、そこでプリパラや他社の「アイカツ!」のユーザーが予備軍になっていると書かれていた。プリパラに法的規制がされる事を危惧しているが、対策はしているのか。
→当社でのアプリゲームのビジネス規模は小さく、課金には至っていない。アプリゲームについては、ゲーム会社はCESA(一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会)の基本方針に従って動いているので、(もしやるならば)ウチもそうする。(鴻巣取締役)

■トミカを35年集めているコレクター。最近、販売店で買えないという状況が多く見られる。ウチは小売をやっているが、注文してもあまり手に入らない。生産数を増やして欲しい。
→申し訳ない。トミカの大半はベトナム製だが、最近「メタコレ」と「ツムツム(恐らくは「ディズニーモータース ツムツム」の事と思われます)」が成長している。工場の拡大等で生産キャパをアップさせる他、欠品状態発生を防止する為に保管も検討している。(鴻巣取締役)
→ブランド化はリカちゃんだけでなく、他の定番商品でもやっている。トミカは好調で、その分店頭でも少なくなっている。(メイ社長)

6.議案採決
 質疑応答が終了すると、事前に出されていた議決権行使書と会場内の拍手で、議案の採決が行われました。
 上程されていた議案は全て、承認可決されました。

7.閉会宣言
 メイ社長による閉会宣言をもって、本総会は終了しました。
 終了時間は11時39分で、約1時間39分の総会でした。




 今年のタカラトミーの株主総会は前述の通り、お土産無し、特別販売コーナー無し、新中期経営計画発表会無しだった事に加えて総会の時間自体も昨年より短く、全体的にあっさりした印象を受けました。しかしながら展示に関してはコンボイのスタチューが設置されていた事に加えて、プラレールやベイブレードバーストはギミックが個人的に興味深く、見ているだけで楽しめました。
 業績に関しては国内は全体的に好調である一方、TIグループは数年間にわたる業績不振が今もなお続いており、これを対処する事が当面の大きな課題の一つである事も分かりました。今期の特別損失計上やメイ社長のTOMY Holdings, Inc.最高経営責任者兼任等で立て直しの体制作りは進んでいるようなので、これが功を奏せば来期には何らかの結果が出るのではないかと思います。
 今期は新中期経営計画発表会でメイ社長の色々な話を聞く事が出来なかったのは残念でしたが、来年には3月の中期経営計画の終了に伴って新しい中期経営計画が発表される可能性が有る為、それに期待しようと思います。