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 本日、かつしかシンフォニーヒルズで行われた、タカラトミーの「第66回定時株主総会」に行ってきました!
 昨年度のタカラトミーは前期を大きく上回る利益を出しており、メイ社長が入社以来3年にわたって行ってきた改革の成果がはっきりと見えてきました。その為、個人的には改革の成果と今後の目標が気になる点の一つではあったのですが、今年はトランスフォーマーの実写映画最新作「トランスフォーマー/最後の騎士王」が公開される年でもある為、トランスフォーマー関係で何らかの展示や話が有る事も楽しみにしていました。

関連記事:「㈱タカラトミー 第65回定時株主総会」レポート(2016年6月24日更新)


 会場は、午前9時30分に開場しました。
 今年の株主総会の展示は会場内入口近辺に設置されていた案内パネルの中に「会場内の撮影はご遠慮ください。」という記載があり、昨年と同様に実質上の撮影禁止となっていました。
 展示物は入口側から順に「トミカハイパーレスキュー ドライブヘッド」「リカちゃん」「過去の株主優待限定セット」「アイドル×戦士ミラクルちゅーんず!」「スナックワールド」、そして毎年展示が有る「エコトイ活動」の6つでした。トランスフォーマーの展示は有りませんでしたが、総会開始前にホール内で流れていたコマーシャル映像の中で、「トランスフォーマー/最後の騎士王」の第3弾予告編が上映されていました。
 ホール内の両横には「第四創業」「次世代」「グローバル化」「デジタルとアナログの融合」と書かれた計4枚のパネルが設置されていました。一昨年と昨年は横断幕で掲出していましたが、今年ははパネルに変更されていただけでなく、デザインも変更されていました。


 総会は、予定通り午前10時に開始されました。

1.社長挨拶
 ハロルド・ジョージ・メイ社長による挨拶。ここで、定款第15条の定めにより、メイ社長が本総会の議長を務める事が発表されました。
 また、この中で「招集通知の内容に一部訂正が有る事(訂正内容は公式サイトで公開済)」「質問は事業報告、議案上程の後に一括して受ける」「執行役員も出席している」事も話されました。

2.定足数の確認
 「定足数」とは、株主総会を行うに当たって最低限必要とされる出席者の数です。
 本総会は定足数を上回った為、問題無く開催されました。

3.監査報告
 監査役からの監査に関する報告。タカラトミーやその取締役の、法令や定款(会社の憲法)への違反の有無や、不正の有無について報告されます。
 タカラトミーは会社・取締役共に、法令や定款に違反してはおらず、また不正も無いとの事でした。また上程される議案や書類についても、同様に不正なものや不当はもの無いとの事でした。

4.事業報告
 タカラトミーの平成28年4月1日~平成29年3月31日の事業報告が、スクリーンに映像を流す形で行われました。
 報告の内容は、「第66回定時株主総会招集ご通知」の14ページの「ハイライト」や、15ページの「連結業績概要」、そして21ページ~22ページの「対処すべき課題」等の内容をそのまま読んで行く形で進められていきましたが、読み上げられたのは特に重要な部分のみで、それ以外については参照するページを伝えるだけにとどめられていました。

 ・第66回定時株主総会招集ご通知(タカラトミー公式サイト、pdfファイル)

 ハイライトの中では、欧米豪での映画コンテンツ関連の商品展開が一巡した一方で、国内とアジア市場での玩具販売が好調に推移した事で、好調な売上高になったと報告されました。地域別では、国内は定番商品のラインを拡大させた事に加えて「ベイブレードバースト」と「デュエル・マスターズ」の販売が大幅に増加したとの事で、また海外では「ポケモンGO」の人気を受けてポケモン関連商品の売上が好調に推移したとの事でした。また欧米やオーストラリアで展開しているTOMY Internationalグループは本社主導の下で海外事業の立て直しに取り組んできたとの事でした。

5.議案の上程
 議案は、「第66回定時株主総会招集ご通知」の3ページ~13ページを参照して下さい。以下はその簡単な解説です。
 第1号議案 … 所謂「配当金の金額の決定」。
           期末配当は1株当たり5円とされており、昨年12月に実施された中間配当(1株当たり5円)と合わせて、
           1株当たり10円とされています。
 第2号議案 … 本総会終了の時をもって取締役6名全員が任期満了となる為、新しい取締役の選任。
           なお、新任の取締役はおらず、全員が再任です。
 第3号議案 … 今年3月の事業年度末時点での取締役と監査役に役員賞与(所謂ボーナス)を支給する件。
 第4号議案 … タカラトミーの執行役員や従業員、タカラトミーの子会社の取締役や従業員等が賞与等の一環として
           タカラトミーの株式の交付を受ける際、その額や具体的な内容の決定をを取締役会に委任する事。
 この後、株主と取締役の質疑応答となりました。
 質問は、「1人当たり1問」とされていました。
■「トランスフォーマー/最後の騎士王」の「TLK-02 バリケード」について。「最後の騎士王」の4月発売商品は2月のイベント(ワンダーフェスティバル)で発表され、同日に予約受付を開始したが、バリケードだけは情報が伏せられていて「続報を待て!」とされていた。その後続報が出る事は無く、発売の前日か2日前あたりに予約受付が開始された。イベントから発売までの2ヶ月の間に、断片的な情報を出したり、情報解禁日を告知したりするなど、情報を伏せていても宣伝出来る事は有ったのではないか。
→幾つかの事情が有って解禁出来なかった。今後(同様のケースが有った場合)については検討したい。(鴻巣取締役)

■課題の一つとしている「グローバル展開の推進」について、具体的にどのような取り組みをするのか。
→入社以来、国内事業を立て直す必要が有ったし、グローバル展開の推進の為に様々な準備も必要だった。ここ3年くらい取り組んできたが、グローバル化が大事になってくるのはこれから。(メイ社長)
→TOMY Internationalグループは赤字幅を圧縮した。ヨーロッパでの売上幅を伸ばし、営業利益を増やす。オーストラリアでは営業利益1億が目標。商品を出しつつシナジー(相乗効果)も出していく。(小島取締役)

■「東京おもちゃショー2017」の限定商品の「LG-EX ブラックコンボイ」について。会場では2日間とも開場から30分ほどで完売し、その後行われた抽選販売でも買えなかった人が多かった。その後受注販売を決定した事については評価しているが、今後も会場で買えなかった人へのフォローや、イベントに行けない人へのフォローを充実して欲しい。
→多大なご迷惑をおかけした。受注販売については今後も検討する。(メイ社長)

■(前の意見を受けて)私はブラックコンボイはヤフオクで買ったので、(前の意見は)身に沁みた。課題の一つとしている「中核玩具の強化」についてだが、この中にリカちゃんが有るのに不安を感じている。日本は少子高齢化社会なのに、タカラトミーの中核玩具は3歳~7歳くらいの子供向け商品が多い。リターンユーザー(一度離れた後に戻ってきたユーザー)がいるとしても、どれだけリターンするかは難しい。タカラトミーのブランドの中で「トランスフォーマー」はハイエイジ向けブランドだが、ハイエイジ向けのブランドをもう一本作り、お金を持っている人に買ってもらえる商品の展開を拡大してはどうか。ブランドもスター・ウォーズのような「借り物」ではなく、「ドライブヘッド」や「シンカリオン」のような自社ブランドを長期で展開してみてはどうか。
→少子化は日本では深刻。トミカ、プラレール、リカちゃんは(あくまで)事業の一部だが、ブランド力を高めれば売上が上がる。入社以来リカちゃんに力を入れ、大人にも魅力を感じてもらえるブランドにし、売上が2桁も上がった。トミカは(大人向けに)「トミカプレミアム」や「リミテッドビンテージ」を展開している。子供や大人を対象にした商品展開をするだけではなくライセンシングビジネスもやっており、リカちゃんは今、資生堂、ゴディバ、アジエンスのイメージキャラクターになっていて、モノ以外の収入も得られている。ライセンス事業が成功すれば、日本以外でも成功する。私は「ミラクルちゅーんず」や「ドライブヘッド」にも期待しているので、期待して頂きたい。(メイ社長)

■リカちゃんの戦略について。メイ社長が就任してからは会社発信のもの(設定等)が多いが、ユーザーの思い出を元にしたアイデアは引き出せているのか。また、欧米市場での具体的な戦略についても教えて欲しい。
→リカちゃんに「魂を吹き込む」のをテーマにやってきた。SNSの活用で次世代ユーザーを獲得し、ツイッターで会話出来るようになっている事で意見を吸い上げて反映している。
(ここから欧米市場での戦略について)リカちゃんには日本的な良さが有る。また、ハーフである事やショート・ロング両方のヘアスタイルが出来る事等、「何にでもなれる」良さも有る。日本展開を強化した上で海外でもやって行く。(メイ社長)

■「プリパラ」について。4年目に突入したが、人気が有って喜ばしいし嬉しい一方で、ユーザー離れも目に付く。離れた人の話では、最近のは「連コインを要求してくる」「レア衣装の排出率が悪い」と、お金がかかるシステムに変わっていると言う。私は信者なのでお金がかかってもついて行くが、ユーザー離れへの対策は有るのか。
→プリパラはまだまだ人気。プリパラは「プリティーリズム」の進化版。更なる進化を考えているが、どういう名前にするかはこれから考える。プリパラはプリティーリズムを含めると7年以上になり、資産となっている。新たなビジネスも展開しており、キンプリ(KING OF PRISM)は今映画が人気。プリパラは進化するし、キンプリのような新たなビジネスも考えていく。(メイ社長)

■愛知から来た。地元では、トヨタが有る事もあってトミカが人気で、新商品が発売されると開店30分前に店に行っても完売してしまっている。転売される事は(メーカーとしても)良く思わないだろうし、並んでいる人の中にはお年寄りもいて、体調が心配になる。生産数を増やして欲しい。
→トミカの売上は非常に好調で、2年連続で最高売上を達成している。品切れについては申し訳ないが、ブランド力が付いた影響と思っている。今後は(品切れしないように)生産数を増やすだけでなく種類数の増減も選択肢に含めて考える。(メイ社長)

■「プリパラ」の「アイドルタイムグランプリ」について。今年は店頭イベントになっているが、去年同様のイベントを開催した時には筐体イベントで、一昨年には店頭イベントだった。この変更の理由を教えて欲しい。
→アイドルタイムグランプリは、開催店舗のスペースや形態に応じてケースバイケースで決めている。集客数が増えているので、それに応じて考えている。(鴻巣取締役)

■サポート体制について。「メリー」を買ったところ初期不良が有り、メールで問い合わせしたが2~3日連絡が無く、電話で再度問い合わせしたところ「(良品を)送る」という回答が得られたが、1週間くらい届かなかった。初期不良の対応ルール(回答までの日数等)は有るのか教えて欲しい。また、プラレールのホームドア(ギミック)がヤフーニュースに取り上げられたのは嬉しい事だった。
→3年前に入社した時に初めて足を運んだのはお客様相談室だった。(商品に)不備は有ってはならないし、申し訳ない。また代替品が届くのが遅かった件についてもご迷惑をおかけした。(対応の遅れには)時期と時間の問題も有ったかもしれないが、真摯に反省する。
(プラレールのホームドアについて)マスコミで取り上げられれば新規ユーザーも増え、ロイヤリティも高まる。今後もサポート(応援)して欲しい。(メイ社長)

■ミラクルちゅーんずについて。まだ始まったばかりのシリーズだが、売上が好調なら海外での展開も考えているのか。
→展開しているブランドは全て、グローバル化を図っている。しかし、国・地域の事情により海外展開出来ない場合も有る。日本での成功例が有れば、ミラクルちゅーんずも例外ではない(海外展開する)。(メイ社長)

■海外の動画で、認知症のお婆さんが昔飼っていた猫にそっくりな猫の玩具を買ってもらって喜んでいる動画が有ったが、その玩具がタカラトミーの製品だった。高齢者向けの玩具を展開してはどうか。
→おもちゃショー(東京おもちゃショー2017)では、ペット向け玩具も展示した。この会場には障害者向け玩具の展示が有る。シルバー向け玩具も領域だから、(ビジネス)チャンスが有れば考える。(メイ社長)

■「LG-EX ブラックコンボイ」について。このキャラクターは元々「トランスフォーマー カーロボット」のキャラクターだが、カーロボットの再放送がされていない。カーロボットだけでなく「マイクロン伝説」等、昔のタカラトミーの作品を再放送する予定は有るのか。
→今は動画配信が多い。「ダイアクロン」はショートムービーをやっている。トランスフォーマーは権利の問題が有るが、それをクリアして配信するようにしたい。(鴻巣取締役)

6.議案採決
 質疑応答が終了すると、事前に出されていた議決権行使書と会場内の拍手で、議案の採決が行われました。
 上程されていた議案は全て、承認可決されました。

7.閉会宣言
 メイ社長による閉会宣言をもって、本総会は終了しました。
 この中で、メイ社長より、予定には無かった「お礼の言葉」が有り、3年にわたる改革を信じてくれた投資家の皆様への感謝、「改革」は1ステージ目が終わっただけで、この後は「結果を出す」2ステージ目と「更なる玩具会社としての発展を遂げる」3ステージ目が有る事、そして株主の皆様には今後もサポートして欲しいと述べていました。
 終了時間は11時25分で、約1時間25分の総会でした。




 今年のタカラトミーの株主総会は、前期を大きく上回る業績を出した事もあって、これを「3年にわたる改革の成果」として強調していました。また、その改革が一段落した事もあってか、メイ社長が「入社以来」という内容の発言を多くしていました。一昨年や昨年の株主総会では改革の結果が出てこない事に関して株主さんから厳しい質問や意見が有りましたが、今年は結果が出た為にそのような事は無く、代わりに今後の課題に関する質問や意見が多かったです。質問や意見は「1人につき1問のみ」とされていたにもかかわらず2問以上話している株主さんが多いのも目立ちましたが、これに対するメイ社長のスタンスは寛容で、同じルールを設けて厳格に対応しているバンダイナムコホールディングスとは対照的に感じました。また、特定のブランドに対する質問や意見をした際の取締役の回答が「~を買って下さって(もしくは愛して下さって)ありがとうございます。」という感謝の言葉から始まっている点も印象的で、好感が持てました。
 トランスフォーマーが好きでタカラトミー株を買った身としては、今年の株主総会はトランスフォーマー関連の展示が無かったのは残念でしたが、総会でのトランスフォーマーに関する質問や意見は非常に多いと感じました。その中でも「LG-EX ブラックコンボイ」については3人の株主さんが各々異なる内容の話をしており、それぞれに思うところが有る事を感じました。一方でメイ社長もブラックコンボイが売れている件については把握していたようで、発言の仕方からそれが感じられました。
 メイ社長主導の改革が始まって3年が経ち、ようやく「稼ぐ力」がついてきたタカラトミーですが、今後はこれが持続できるかどうかが試されると思いますし、もし持続できるようになれば、いずれは増配も有り得ると思うので、来年の株主総会ではその点に注目しようと思います。また、トランスフォーマーの実写映画が公開された年は、事業報告で「トランスフォーマーの売上が好調だった」という報告が毎回有るので、それにも期待しています。