奈々さんも出演されている映画「手塚治虫のブッダ -赤い砂漠よ!美しく-」を観てきました。
 実は原作は完全にチェックしておらず、先日行った「手塚治虫のブッダ展」で予習した程度なのですが、その上で感想をば…。

  関連記事:「手塚治虫のブッダ展」に行ってきました!(2011年4月27日更新)

※以下はネタバレを含みます。

 この作品は全3部作構成で、本作は第1作目。
 物語の内容は、シッダールタ(後のブッダ)が誕生する少し前から、シッダールタが出家するあたりまでとなっています。

 原作の内容については「手塚治虫のブッダ展」を見に行ったときに、奈々さんの音声ガイダンスを聴きつつ色々見たり原作本を少し読んだりしたのですが、「ブッダ展」の中で展示物等によって丁寧に説明されていた部分が、尺の都合もあったのではないかとは思いますが、展示で説明されていたシーンで端折られているものが結構見受けられたのは残念でした。原作でではどうなっているのか完全にチェックしていない為に分かりませんが、全体を通してシッダールタと同じか、あるいはそれ以上にチャプラについて尺を取っているように感じられたのも残念でした。

 奈々さんが演じた女盗賊「ミゲーラ」は、作品の中盤で登場します。ミゲーラの登場する部分は原作も一応チェックしていたのですが、ここも端折られてるシーンがあったのに加えて、原作での一人称が「あたい」だったのが「あたし」になってたりと、改変が結構目立ちました。キャラクターデザインは多くのキャラが原作と異なるデザインになっていますが、「奴隷出身」という設定にはあまり見えないデザインだったのも個人的には残念。ミゲーラはシッダールタと交際した為に悲しい運命を辿る事になってしまうのですが、ミゲーラは最近の奈々さんが出演されるTVアニメではあまり観ない役回りであり、また、奈々さんはそれを見事に演じきっています。

 奈々さん以外の声優陣は、主役級は吉永小百合さんや吉岡秀隆さん等の声優業が本業ではない方ばかりなのですが、それ以外では、玄田哲章さん、折笠愛さん、竹内順子さん、大谷育江さん、櫻井孝宏さん、藤原啓治さんといった方がメインキャラを担当している他、サブキャラにも能登麻美子さん等、アニメファンにはその名を知られる声優さんが多数出演しています。個人的に印象が強かったのが、動物化した僧の芝居をしていた櫻井孝宏さんと、ほぼ全編を通して活躍していた玄田哲章さんと藤原啓治さんで、藤原さんの演じる「バンダカ」の戦闘狂なキャラクターは、見ていて「アリー・アル・サーシェス」を思い出してしまいました(笑)

 手塚治虫氏が10年にもわたる歳月をかけて描いた大作を数時間の映画でまとめるというのは、まず間違い無く尺の問題が出るであろうという事は観る前にある程度覚悟していたのですが、それを除いても個人的には煮え切らない部分が残る作品でした。
 原作未読で「ブッダ展」も見ていないと理解できない(と思われる)部分も見受けられるので、予習の上で観た方がいい作品なのではないか、と思います。