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 今回のリニューアルレビュー記事は、2010年に発売された「HG AFTER WAR」版の「ガンダムX」です。
 「ガンダムX」が放送開始された頃、管理人の実家が有る地域にはテレビ朝日の地方局が無かった為に見れなかったのですが、放送期間中の1996年10月にテレビ朝日の放送局が開局した為に観れるようになり、それからは毎週欠かさず観ていました。それまでガンダムシリーズのTVアニメは放送されていなかった為、この作品が初めてテレビで観たガンダム作品でプラモデルも多数購入した為、「ガンダムX」という作品には非常に強い思い入れが有ります。
 作品そのものは後年再評価がされたものの、プラモのメーカーであるバンダイの作品に対する評価は今だに思わしくないのか、「HG AFTER WAR」シリーズのプラキットは本記事掲載時点において2種類しか販売されていないのが残念な所です。

※本レビュー記事は、2010年4月28日に旧ホームページに掲載したレビューに一部加筆・修正等を加え再掲載したものです。


※画像をクリックすると元のサイズで表示されます。
※画像のキットは、素組みした物に細かい塗装とスミ入れを施したものです。実際の商品とは仕様が異なります。


■作品概要 ~機動新世紀ガンダムXとは~
 「機動新世紀ガンダムX」は、1996年4月~12月にテレビ朝日系列で全39話が放送されたテレビアニメです。
 物語は、当時100億を誇った人類の殆どをを死滅させ、地球にも致命的なダメージを与えた「第7次宇宙戦争」の終戦から15年後の地球を舞台に、荒廃した地球でたくましく生きる主人公の少年ガロード・ランと、ニュータイプの少女ティファ・アディールを中心に、新たな戦争とニュータイプの真実をめぐる物語を展開します。
 本作において「ガンダムX」は、ガロードがティファに導かれる形で発見しガロードの搭乗機となりますが、ニュータイプ専用モビルスーツ「ベルティゴ」との戦闘で中破した後は、武装を変更し「ガンダムX D.V.(ディバイダー)」となり、途中からパイロットがフリーデンの艦長ジャミル・ニートに交代しつつ最終決戦まで活躍します。

■キット概要
 このキットは2010年4月17日頃にメーカー希望小売価格1,890円(税込)でバンダイより発売されました。
 このキットのシリーズは、それまで展開を続けていた「HG UNIVERSAL CENTURY」から、展開の幅を「宇宙世紀」を舞台にしたガンダム作品以外に広げた商品としては第1弾の商品です。なお、このキットのブランド名も作品の年代設定に合わせて「UNIVERSAL CENTURY」から「AFTER WAR」に変更されています。




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 パッケージアート。箱のサイズは縦約19.5cm×横約31cm×奥行約7.5cmとなっており、既存の「HG UNIVERSAL CENTURY」の標準的なキットのパッケージとほぼ同じくらいのサイズです。
 パッケージには「HG AFTER WAR」のロゴと登場作品のタイトルロゴがあります。また、イラストのガンダムXは、月をバックに最強兵器「サテライトキャノン」を放っている姿が描かれています。




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 側面のパッケージアート。イラストのガンダムXは正面のものと同じで、作品のタイトルロゴやブランドロゴも有ります。
 このキットのナンバーは「109」となっていますが、これは、このキットより前に発売された「HG UNIVERSAL CENTURY」から続く形でのナンバーとなっており、今後発売される予定の「宇宙世紀を舞台としないガンダムシリーズ」から登場する予定のキットも連続したナンバリングとなる予定です。




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 ガンダムX本体。スケールは1/144で、頭頂高は約12.5cm、全高は約18cmあります。
 サイズは既存の「HG UNIVERSAL CENTURY」シリーズのキットに比べてほぼ同じか若干小さいものになっています。これはガンダムXの設定サイズが、「機動戦士ガンダムF91」より以前の宇宙世紀を舞台にした作品のモビルスーツと比べて小さ目の設定になっている為です。
 肩、前腕、脚部の側面にあるダークパープルのパーツは、本放送当時に発売された1/100サイズのキットではサテライトシステム発動時をイメージしてメッキパーツが採用されていましたが、このキットでは採用されていません。




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 頭部。二つ目のカメラアイに額のメインカメラ、赤い顎パーツ、ブレードアンテナと、ガンダムタイプのお約束を揃えた形のデザインになっています。
 ガンダムタイプのモビルスーツの頭部によく有るヘッドバルカンはこのモビルスーツには無く、後述の「ブレストバルカン」が、その代わりとなっています。




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 可動は昨今のガンプラとしては標準的な範囲の可動範囲となっています。肩関節の引き出し機構はあまり引き出せるようになっていませんが、逆に見た目を損ねない形となっています。
 フロントスカートアーマーは、最近のガンプラとしては珍しく左右一体成型となっており、片足を大きく上げると反対側も連動してスカートアーマーが上がってしまいます。この問題点は、接続部の真ん中を切る事で解決します。




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 胴体ブロック。
 腹部の赤い部分には4門の「ブレストバルカン」が付いています。また、胸部のクリアーパーツは後述のサテライトシステムを発動させる際に「スーパーマイクロウェーブ」のレーザー回線を受信する装置となっています。腹部にはボールジョイントが入っており、おおきくのけぞった状態でのポーズも可能です。




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 バックパックから全ての武装を外した状態。4ヶ所のジョイント穴が有り、これらに各種武装を取り付けます。




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 ガンダムXの主力武器の一つ、「シールドバスターライフル」。その名の通りシールドとバスターライフルを兼ねた物となっています。
 前作「新機動戦記ガンダムW」でも、大火力を有する兵器「バスターライフル」が登場しましたが、本作のバスターライフルは、一般的なビームライフル程度の火力になっています。この武器は本来、変形によってシールドとバスターライフルに形態が変化するものとなっていますが、このキットではシールド形態とバスターライフル形態を別々に造っています。




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 シールドバスターライフル・シールド形態を装備。バスターライフル形態と同様の持たせ方をしますが、劇中では普通にシールドのような使い方をしています。




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 シールドバスターライフル・ライフル形態を装備。
 このキットには武器保持専用の手首パーツは無く、手の甲を取り外してグリップ部分を取り付けた後に、手の甲を付け直す事で武器の保持を行います。




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 シールドバスターライフルのライフル形態は変形し、設定通りガンダムXのバックパックに取り付けられます。
 変形はグリップ部を取り外して銃先端と上部センサー部分を収納し、銃後部の接続用ピンをバックパックの穴に差し込みます。




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 ガンダムXのもう一つの主力武器、「大型ビームソード」。ビームサーベルよりも高出力の武器として設定されており、エネルギー消費は激しいものと思われますが、ガンダムXは後述の「サテライトシステム」を使用したエネルギー供給を受けられる為、高出力の武器をエネルギーを心配せずに使えます。
 通常は背部バックパックに付いており、使用する際にはクリアー成型のビーム刃を取り付けます。ビーム刃のサイズは、本放送当時に発売された同スケールのプラキットより小さめになっています。また、このキットは本放送当時のキットより可動範囲が拡大されている為、ビームソードを抜こうとしているポーズも問題無く決められます。




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 大型ビームソードで攻撃するアクションポーズの一例。
 アクションポーズは本放送当時のキットと比べて可動範囲が拡大している為、カッコ良く決まります。




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 「ショルダーバルカン」は、本放送当時「HG」として発売された「1/100 ガンダムX」に、1/100ガンダムXシリーズの定番だった「劇中には登場しないプラモオリジナルの武器」として付けられていた物ですが、この武器だけはTVアニメに少しだけ登場しました。
 バックパック上部左側のピン穴にピンを差し込んで取り付けます。また、砲身根元に可動軸が有る為、設定通り砲口を正面に向ける事も可能です。




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 「サテライトシステム」使用時に展開するリフレクター。
 4つのリフレクターの各面には「ホログラムシール」を貼付するよう説明書に記載されています。このシールは見る角度によって光る部分が変わるようになっており、劇中のスーパーマイクロウェーブによるエネルギー供給を受けているシーンのイメージに近づけています。




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 バックパックはリフレクター部分を展開し、砲身の角度をある程度傾ける事で「ホバーリングモード」になります。
 劇中ではこの形態で飛行しますが、「ガンダムエアマスター」等の空戦用モビルスーツに比べれば機動性は劣ります。




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 ガンダムXの最強兵器「サテライトキャノン」。リフレクターを展開し、砲身を前に向け、グレーのパーツを前方にスライドさせてこの形態となります。
 本放送当時のキットは差し替え無しの完全変形となっていましたが、このキットではリフレクターの部分が、一度取り外して180°逆の向きにして付け直すようになっています。
 サテライトキャノンはスーパーマイクロウェーブによって供給された莫大なエネルギーを発射する兵器で、その威力は一撃でスペースコロニーを破壊できるほどの威力があり、ガンダムシリーズを通してもトップクラスの威力を誇る兵器となっています。また、「ガンダムX」の名の通り、この形態を取ると、リフレクターが「X」の文字を形作ります。




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 サテライトキャノン発射ポーズ。パッケージの写真に近いポージングにしています。
 劇中では左手でサテライトキャノンの砲身を押さえていますが、このキットでは可動の関係と押さえるポーズの再現に必要な平手パーツが付属していない為、劇中の発射ポーズの再現は難しくなっています。
 ガロードは第2話で初めてこの武器を使用し、その驚異的な破壊力とティファに精神的なダメージを与えてしまった事から、以後は人をターゲットにした使用を躊躇うようになります。




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 バックパックにあるピン穴の内、左下の1ヶ所はこのキットでは使用しません。
 これは本放送当時のキットでも同様になっており、後発商品の「ガンダムX D.V」において、この部分とシールドバスターライフルの接続部分との2ヶ所に「エネルギーポッド」を取り付けるようになっていた為、恐らくはこのキットでもそれを想定した構造にしているものと思われます。




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 フル装備でアクションポーズ。シールドとビームソードで近接戦闘をイメージ。




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 フル装備でアクションポーズその2。ブレストバルカンとショルダーバルカンの同時発射をイメージ。




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 オープニングでのタイトルバック風のポーズ。
 ポーズは素立ちですが、タイトルに合わせてリフレクターをX字に展開しています。




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 股関節はスカートアーマーとは別パーツとなっており、腰を動かさなくてもある程度の角度付けが可能です。
 また、中央部分には穴が開いており、ここに別売の「バンダイプラモデル アクションベース2」のピンを差し込んで、劇中の飛行シーンや宇宙空間での戦闘シーンを再現できます。




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 「ガンダムSEED」シリーズのオープニングのタイトルバック風にポージング。




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 第1話冒頭、第7次宇宙戦争末期のサテライトキャノン発射シーン風のポーズ。
 劇中ではガンダムXの他に、ニュータイプの精神感応能力で遠隔操作する12機の「Gビット」も同じポーズを取っており、全員で一列に並んでサテライトキャノンを一斉発射します。平手パーツこそ無いものの、左手を砲身に当てる事は可能ですが、正面から見た際にフェイス部分が見えにくくなります。




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 フル装備。
 サテライトキャノンは発射の際に両手を使用する為、当時のイラスト等ではこのような状態のものがいくつか見受けられましたが、劇中ではこのような装備はしていません。




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 本放送当時に発売された「1/144 ガンダムX」のパッケージイラスト風のポーズ。




 以上、HG AFTER WARガンダムXでした。

 キットの仕様は劇中のギミックを再現しているだけでなくプラモオリジナルのショルダーバルカンまで付けている充実ぶりなのですが、リフレクター展開ギミックがプロポーション重視の関係か差し替え式になっている、シールドバスターライフルが形状重視の関係か2モードが別々に造られている、手首パーツのバリエーションが無い、ビームソードの刃が小振りといった残念な点も有ります。
 しかしながら、「1/100 ガンダムレオパルドデストロイ(1997年1月発売)」以来約13年ぶり、本放送当時から考えると実に約14年ぶりとなった「ガンダムX」からのプラモ化であるだけに、作品に思い入れのある人や本放送当時プラモを購入していた人なら、昔のキットからはプロポーション・可動共に進化している事もあって、満足できる内容になっていると思います。
 前述の通り、このキットには「ガンダムX D.V.」の発売を想定していると思われる造りが有る為、今後のシリーズ展開にも期待です。