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 今回のリニューアルレビュー記事は、SDXの「サタンガンダム」です。
 サタンガンダムはナイトガンダムと因縁の有るキャラクターという事も有って、初出となった作品である「ラクロアの勇者」が展開されていた当時から、ナイトガンダムと共にプラモ化の機会に恵まれていました。当時のSDガンダムは可動よりもギミックを追求したものが殆どだった為に、ナイトガンダムとサタンガンダムの対決シーンを再現するポーズは非常に限られていましたが、SDX版では可動箇所が増えている為に、より凝ったポージングで対決シーンを再現する事が可能になりました。また、シリーズ展開当時のコミックのネタまで再現出来るようになっており、そのネタを知っているファンならニヤリとしてしまう物になっていたと思います。
 このレビュー記事では、サタンガンダムからブラックドラゴンへの変身ギミックの説明にGIFアニメを使用しています。旧ホームページではレビュー記事にGIFアニメを多用していましたが、現在は1ファイル当たりのアップロード容量に制限が有る事に加えて、YouTubeを使用した動画でのギミック紹介も行うようになった為、以前より使用頻度は少なくなっていますが、トランスフォーマーの連動式変形ギミックを紹介する際等、ごくたまに使用しています。

関連記事:SDX「フルアーマーナイトガンダム」レビュー(再掲載版)(2013年1月7日更新)

※本レビュー記事は、2009年9月10日に旧ホームページに掲載したレビューに一部加筆・修正等を加え再掲載したものです。


※画像をクリックすると元のサイズで表示されます。

■作品概要 ~SDガンダム外伝 ジークジオン編とは~
 「SDガンダム外伝」は、1989年~1993年にかけて「カードダス」を中心にプラモデルやコミック、ゲーム等で広く展開されたシリーズで、シリーズ展開開始当時大人気だったロールプレイングゲームを基に、SD化された「機動戦士ガンダム」シリーズの登場人物やモビルスーツが西洋風の甲冑等に身を包んで活躍するシリーズです。シリーズ終了後、物語は「新SDガンダム外伝」シリーズに引き継がれました。
 「サタンガンダム」は、本シリーズの第1作目「ジークジオン編」の第1弾シリーズ「ラクロアの勇者」で、主人公「騎士(ナイト)ガンダム」が倒すべき敵として登場するキャラクターで、落雷を受けて武者ワールドから物語の舞台となる「スダ・ドアカワールド」に飛ばされた「武者頑駄無真悪参(ムシャガンダムマークスリー)」が持っていた「善」と「悪」の内の「悪」の部分を持ったキャラクターです。彼は人間族を滅ぼしモビルスーツ族だけの世界を作る為に、ジオン族を率いてスダ・ドアカワールドの征服に乗り出すも騎士ガンダムに倒され、野望は潰えます。後に第4弾シリーズ「光の騎士」で「ネオブラックドラゴン」となって復活し、騎士ガンダムの前に再び立ちはだかります。

■フィギュア概要
 このフィギュアは、2009年7月18日にSDXの第3弾商品として、メーカー希望小売価格4,935円(税込)でバンダイより発売されました。
 全身のフル可動に加え、一部パーツの差し替えにより真の姿である「ブラックドラゴン」への変身が可能になっています。




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 パッケージアート(表)。箱のサイズは縦17.5cm×横20cm×奥行9cmとなっており、既存のSDXのパッケージと同じサイズです。
 パッケージ全体の背景色は「騎士ガンダム(烈伝版)」が黒、「フルアーマーナイトガンダム」が銀でしたが、このパッケージでは青になっています。




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 パッケージアート(裏)。SDXのコンセプトである「1.重量感、2.オプション、3.可動&スタイル、4.ギミック」についての記載の他、各部のディテールの写真や付属品の写真が有ります。




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 パッケージ内側。
 これも既存のSDXのものと同じ仕様で、表部分が蓋になって開けるように造られており、開くと中身が見えるようになっています。




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 パッケージ内側の蓋裏側。
 SDXのコンセプトについての解説がパッケージ裏側より詳しく書かれている他、ブラックドラゴンへの変身ギミックや、おまけのジムヘンソンJr.やドラゴンベビーについても書かれています。また、右上部分には「横井孝二」さん(以下「横井画伯」)の描き下ろしイラストが描かれています。イラストのサタンガンダムの部分はジムヘンソンJr.に引っ張られているからなのか、冷や汗のようなものが見られます。




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 パッケージ内側の本体側。蓋は下部にあるマジックテープで止める仕組みになっています。左下部分には、横井画伯による描き下ろしイラストが描かれています。




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 内部ブリスターパックは、既存のSDXと同様の2段構成になっています。
 目のパーツはランナーから切り出す形になっており、この点は本商品の発売より前に発売されたSDXとは異なっています。




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 サタンガンダム本体。全高は約11cmあります。
 デザインは1989年に発売された「ラクロアの勇者」にラインナップされたサタンガンダムのカードのイラストに忠実ですが、頭身の調整がされています。なお、当時のカードダスの設定では、HP(ヒットポイント)は1200でした。
 マントの下に隠れている一部パーツにダイキャストが使用されている為、サイズに見合わぬ重量感が有ります。




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 頭部。こちらも当時のイラストのデザインに忠実にデザインされています。魔王らしい頭のツノが特徴的です。
 顔のデザインは武者頑駄無真悪参から生まれたキャラクターである事や、騎士ガンダムとは元々同一人物であった事を踏まえて、それらのキャラクターに似せてデザインされている部分が有ります。




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 表情パーツは、通常時のものも含めて全4種が付属しています。
 交換は顔面パーツを取り外した後に目と口が一体化しているパーツを交換して頭部に付け直す、既存のSDXと同じ構造になっています。
 悪の大ボスらしからぬ「ビックリ顔」が付属しているのは、後述の「ジムヘンソンJr.」と一緒に遊ぶ事を考えての事と思われます。




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 専用武器の杖も付属しています。OVAやコミックでは、この杖から魔法を放って攻撃していました。
 第2弾シリーズ「伝説の巨人」では、この杖が「アイテム ブラックドラゴンの杖」という、MP(マジックポイント)-100の効果を持つアイテムとして単体でカード化されました。この杖はサタンガンダムの死後、彼の復活の鍵となるアイテムの1つとなります。
 このフィギュアでは専用の持ち手を使用して持たせます。




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 手のパーツは6個(左右3組)が付属しています。
 左から握り拳、武器持ち手、平手となっています。




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 カードダスのイラストを再現。
 イラストのサタンガンダムはこのフィギュアよりも頭が大きく描かれていた他、腕は見えない形になっていました。
 このフィギュアはカードダスのイラストとはプロポーションが微妙に異なっている為、カードダスのイラストを完全に再現する事は出来なくなっています。




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 SDXの第2弾商品「フルアーマーナイトガンダム」のナイトガンダム(通常装備)と。
 サタンガンダムの方が気持ち大きめになっていますが、OVAやコミックでは、サタンガンダムはナイトガンダムの数倍大きいサイズで描かれていました。




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 ナイトガンダムと対決!
 騎士ガンダムはHPが500、対するサタンガンダムはHPが1200あり、この装備では、ナイトガンダムはサタンガンダムに勝てません。OVAでは石板から三種の神器を召喚し、HP10000となってサタンガンダムに勝利しますが、横井画伯が月刊コミックボンボンで連載していた「元祖!SDガンダム」では、力の盾を装備し(HP+150)、戦士ガンキャノン(HP300)と石板の力を得た僧侶ガンタンク(MP200+200=400)との合体攻撃(合計1350)で倒していました。




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 ここからは、サタンガンダムの真の姿である「ブラックドラゴン」への変身手順を紹介。
 最初に、マントを正面中央から割って展開した後、マント内側のパーツを展開し、爪のようなパーツを調整して翼にします。




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 次に、畳まれている肩パーツを展開し、カブト部分を外した後に目のパーツをブラックドラゴン専用の赤い目に交換します。




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 三番目に、尻尾を取り付け、後頭部下部のパーツをブラックドラゴン用の物に交換します。




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 最後に、頭部にブラックドラゴン用のカブトを取り付けて、変身完了です。




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 「モンスター ブラックドラゴン」。サタンガンダムの真の姿です。
 「元祖!SDガンダム」で描かれた誕生秘話によれば、サタンガンダムはスダ・ドアカワールドに落雷と共に降り立つ際に1匹のドラゴンと合体して、体の中にブラックドラゴンを宿したとされています。
 当時のカードダスでは、HPは「データ不明」とされていましたが、別のカードである「戦士(ファイター)ザク」の「赤い翼のあのお方は、9999の力を持っておられる。」というメッセージから、ブラックドラゴンのHPは「9999」である事が分かるようになっていました。




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 ブラックドラゴンの後ろ姿。
 マントを展開して翼にしている為、翼の背面はマントのデザインがそのまま残っています。OVA版では後ろ姿が描かれる際に、これと同じ形で描かれていました。
 変形時に翼の形状になるよう、マントの内側に収納されているパーツが展開されますが、展開したパーツの裏面はマントの色に合わせて彩色されています。




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 ブラックドラゴン頭部。
 OVAやコミックではサタンガンダムの頭部が割れて「ドラゴンブレイン」が現れる描写がされていました。
 シリーズ展開当時に発売された「BB戦士」版では、頭部を割ってドラゴンブレインを差し込む事で変身させましたが、このフィギュアでは形状の良さを保つ事を重視した為か、カブト部分の交換で変身するようにしています。また、変身時には目の色が黄色から赤に変化しますが、サタンガンダムからブラックドラゴンに変身するプラモデルやトイでこの変化を再現したのは、このフィギュアが初と思われます。




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 ブラックドラゴンの目のパーツは通常時と右下を見ている物の2種のみで、変身前のサタンガンダムより少ないです。




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 胸の六芒星は、ブラックドラゴンの唯一の弱点です。ブラックドラゴンはここに炎の剣を刺されて騎士ガンダムに倒されました。
 当時のイラストでは三角形と逆三角形を重ね合わせた典型的な六芒星が描かれていましたが、このトイではデザインが変更されています。




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 ブラックドラゴンの杖を持たせる事も、もちろん可能です。サタンガンダムの武器持ち手を使用して持たせます。
 サタンガンダム・ブラックドラゴン共に、殆どのイラストで杖を左手で持っています。




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 カードダスのイラストを再現。
 カードダスのイラストでは頭部が非常に大きく描かれていましたが、このフィギュアはカードダスのイラストとはプロポーションが微妙に異なっています。




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 SDXでは定番の台座ももちろん付属しています。
 これを使用する事で、ブラックドラゴンを飛行させる事が出来ます。




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 「霞の鎧」を装備したナイトガンダムと。
 翼が展開している事もあって、ブラックドラゴンの方が非常に大きく見えます。




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 三種の神器を装備したフルアーマーナイトガンダムと対決!
 ブラックドラゴンのHPは9999ですが、対するフルアーマーナイトガンダムは三種の神器の効果によってHPが10000となっており、わずかHP1の差でフルアーマーナイトガンダムが勝利します。




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 このフィギュアには、2体の小型フィギュアが付属しています。
 1体目は「ジムヘンソンJr.」で、両肩関節が可動します。カードダスでは両親+飼い犬(ハロ)と一緒に「町人ジムヘンソン一家」として登場していますが、「ラクロアの勇者」登場時にはジムヘンソンJr.は母親に抱かれていました。この姿のジムヘンソンJr.は、「元祖!SDガンダム」の「ラクロアの勇者」を描いたエピソードで確認出来ます。赤い靴下を持った造形になっているのは、後述するサタンガンダムと一緒に遊ぶ際の事を考えた為のものと思われます。




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 サタンガンダムと。
 「元祖!SDガンダム」で、ジムヘンソンJr.は「サタン」を「サンタ」と勘違いしており、サタンガンダムにプレゼントをねだってサタンガンダムが怒るシーンが何度も有りました。この努力が功を奏したのか、後にサタンガンダムと騎士ガンダムが融合した「スペリオルドラゴン」は、「サンタガンダム」に変身してジムヘンソンJr.を喜ばせようと頑張るシーンが有ります。




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 付属の小型フィギュアの2体目は、「ドラゴンベビー」です。
 このキャラクターの初出は第2弾シリーズ「伝説の巨人」です。当時のカードダスでは設定に関する部分が「データ不明」となっており、MPは-10となっていました。ブラックドラゴンを父として認識していますが、その正体は、ブラックドラゴンの体が「炎の剣」のエネルギーで変異した姿です。
 このフィギュアには、可動箇所は有りません。




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 ブラックドラゴンと。
 横井画伯が月刊コミックボンボンで連載していた「元祖!SDガンダム」では、ナイトガンダムとの死闘の末に倒されたブラックドラゴンは、体に炎の剣を残して魂を戦士ガンキャノンに乗り移らせ、体はドラゴンベビーに変異した、とされています。「光の騎士」の本編開始前に、ブラックドラゴンの魂、ドラゴンベビー、炎の剣、ブラックドラゴンの杖の4つが融合し、「ネオブラックドラゴン」として復活を遂げます。




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 説明書には記載されていませんが、ブラックドラゴンの各部はアーマーパーツになっており、取り外しが可能です。
 取り外した後の素体は、頭部、胴体、下半身前部が「フルアーマーナイトガンダム」と同一の物になっています。




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 このフィギュアは肘に可動箇所が有りますが、これはSDXでは初となります。
 しかしながら、曲げられる角度は限られており、ポージングに際してあまり役に立つものにはなっていません。




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 素体の一部パーツやアーマーパーツの構成は「フルアーマーナイトガンダム」と似ているので、鎧の交換も可能です。
 上の写真は通常時の鎧を装備した状態です。前腕部のパーツが外れやすくなっていたり後部スカートアーマーが取り付け出来ない問題点が有りますが、その他は概ね問題無く取り付けられます。




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 サタンガンダムのアーマーパーツを装備したナイトガンダムと。
 サタンガンダムの素体が一部新規パーツになっている為に胴長・足長になっているので、サタンガンダムは鎧の間が開いている部分が有ります。逆に、ナイトガンダムはマントの中に隠れてしまいそうになっています。




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 霞の鎧を装備した状態。
 前腕部のパーツは取り付ける事が出来ませんが、その他のパーツは取り付けが可能です。




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 ブラックドラゴンになったナイトガンダムと。
 パーツのサイズが若干違う事もさる事ながら、サタンガンダムはイラストよりも脚が長めに造られている一方でナイトガンダムは当時のイラストに忠実な短めの脚で造られている為、交換するとアーマーと本体のバランスが悪くなってしまいます。




 以上、SDXサタンガンダムでした。

 SDX第3弾は初の悪役キャラの商品化となりましたが、やっぱりナイトガンダムが発売されている以上はサタンガンダムも発売してくれないと面白くないと思うので、「フルアーマーナイトガンダム」発売のすぐ後にこのフィギュアを発売したのは、良いタイミングとチョイスだったと思います。
 フィギュアの出来は、元々BB戦士時代にある程度の形が完成していたからなのか、ブラックドラゴンへの変身が出来るだけでなく、一部はSDXの構造を上手く利用して良好なプロポーションになるようにしており、個人的には満足しています。造形はフルアーマーナイトガンダムと対照的で、フルアーマーナイトガンダムがイラストにほぼ忠実に造られたのに対し、このフィギュアは一部にアレンジが加えられており、ライバル同士で造形に対するアプローチの違いが有るのも興味深い点だと思います。付属している靴下を持ったジムヘンソンJr.は、ネタが分かる人なら楽しいと思います。
 このフィギュアは変身ギミックが有るだけでなく、付属の小型フィギュアと一緒に遊べるようにもなっている為に、単体でも十分楽しめるようになっていると思いますが、フルアーマーナイトガンダムを持っていれば、対決だけでなくアーマーパーツの交換も出来るので、遊びの幅は更に広がります。