※写真をクリックすると元のサイズで表示されます。

TTsoukai62-001.jpg

 昨日、かつしかシンフォニーヒルズで行われた、タカラトミーの「第62回定時株主総会」に行ってきました!
 昨年の株主総会のレポートにおいて「タカラトミーの『現在』を知る事は、トランスフォーマーを含むタカラトミー商品全ての『これから』を占う要素の一つになる」と書いた通り、今回もそれを最大の目的としていたのですが、今年は3月期決算で赤字を出した事が発表されていた為、それについてどのような話が出るのかも気になっていました。

関連記事:「㈱タカラトミー 第61回定時株主総会」レポート(2012年6月27日更新)


 開場は「株主総会招集ご通知」で告知されていた通り、午前9時30分だったようです。管理人が会場に到着した時には既に受付が始まっていました。




TTsoukai62-002.jpg

TTsoukai62-003.jpg TTsoukai62-004.jpg
TTsoukai62-005.jpg TTsoukai62-006.jpg
TTsoukai62-007.jpg TTsoukai62-008.jpg

 受付を済ませて会場内に入ると、総会が行われたホールの入口手前には、今年の「おもちゃ大賞」で受賞したタカラトミーの商品が展示されていました。
 展示されていた商品は以下の7種です。トランスフォーマートイの受賞は、残念ながら有りませんでした。
  「アニア単品シリーズ」 … 共遊玩具部門 大賞
  「トリプルカラーチェンジ リカちゃん」 … ガールズ・トイ部門大賞
  「オートミーS 小型自動ロボットクリーナー」 … ハイターゲット・トイ部門優秀賞
  「LINE TOWN マイタッチ」 … キャラクター・トイ部門優秀賞
  「炎の体育会TV ミリオンスプーン」 … ボーイズ・トイ部門優秀賞
  「ミッキー&フレンズ へんしんドライブ! 知育ボックス」 … エデュケーショナル・トイ部門優秀賞
  「『テレビでポケモンゲット!』シリーズ(すごいつりざおモンスターボール)」 … イノベイティブ・トイ部門優秀賞





TTsoukai62-009.jpg TTsoukai62-010.jpg
TTsoukai62-011.jpg TTsoukai62-012.jpg

TTsoukai62-014.jpg

TTsoukai62-015.jpg TTsoukai62-016.jpg
TTsoukai62-016.jpg TTsoukai62-017.jpg

TTsoukai62-018.jpg

 おもちゃ大賞受賞商品が展示されていたショーケースの更に奥には別の展示スペースが有りました。
 このスペースでは、前述の「アニア単品シリーズ」を含む「共遊玩具」の紹介と、タカラトミーの共遊玩具活動の歴史について紹介されていました。共遊玩具とは、「目や耳が不自由な子どもたちとに楽しくべる玩具」で、タカラトミーが提唱したとされています。その歴史や主な商品については、タカラトミーの公式サイトでも紹介されています。
 共遊玩具の展示スペースの隣には、昨年の株主総会でも展示されていた「プラレール」の「エコ直線レール」「エコ曲線レール」をはじめとした、エコマーク商品が展示されていました。また、おもちゃのリサイクルの流れに関する簡単な紹介も有りました。



 総会は、予定通り午前10時に開始されました。以下は総会のプログラムと大雑把な内容を説明します。
 余談ですが、本総会に出席していた富山幹太郎(とみやま・かんたろう)社長は風邪を引いていたらしく、咳をしたり汗を拭いたりしていた他、声はガラガラ声でした。その為、富山社長の発言の一部には聞き取りづらい部分が有りました。

1.社長挨拶
 富山社長による挨拶。ここで、富山社長が本総会の議長を務める事が発表されました。
 この挨拶の際に、今年の3月期決算で赤字を出してしまった事についてのお詫びも有り、取締役全員が起立して頭を下げました。

2.定足数の確認
 「定足数」とは、株主総会を行うに当たって最低必要とされる出席者の数です。
 本総会は定足数を上回った為、総会は問題無く開催されました。

3.監査報告
 監査役からの監査に関する報告。タカラトミーやその取締役が、法令や定款(会社の憲法)への違反の有無や、不正の有無について報告されます。
 タカラトミーは会社・取締役共に、法令や定款に違反してはおらず、また不正も無いとの事でした。また、本総会に提出された議案についても同様との事でした。

4.事業報告
 タカラトミーの平成24年4月1日~平成25年3月31日の事業報告が、スクリーンに映像を流す形で行われました。
 報告の内容は、「第62回定時株主総会招集ご通知」の内容をそのまま読んで行くと共に、詳細な部分については、事前に読んでいる事を前提に省略する形で進められていきました。

 ・第62回定時株主総会招集ご通知(タカラトミー公式サイト、pdfファイル)

 今回の報告の中では、前年度に買収した「TOMY Internationalグループ(以下「TIグループ」)」の統合によって、新たなグローバル体制を構築していく事と、玩具事業を強化していく事が報告されました。また、利益面に関する報告も有り、当期は売上高の減少、TIグループの一部の無形固定資産の減損損失、希望退職者募集に伴う費用等の特別損失が計上された事で、約70億円の損失となった事が報告されました。
 ブランド別の売れ行きとしては、定番商品の「トミカ」「プラレール」は堅調との事でした。また新商品の開発や販売にも力を入れている事が報告され、その中でも「バトロボーグ20」「ファービー」「ポケモントレッタ」が人気を集めているとの事でした。その一方で、前年度まで好調だった「ベイブレード」と「トランスフォーマー」は、反動減により売上が減った事が報告されました。余談ですが、映像の中でトランスフォーマーを取り上げる際に、「AM-01 オプティマスプライム」の商品写真が使用されていました。
 事業報告の中で発表された「対処すべき課題」では、3月25日に発表された「タカラトミーグループ再生計画」が取り上げられていました。

 この発表の後に富山社長から補足説明が有りました。
 損失の原因は、国外の玩具事業が低迷した事と、TIグループが昨年のクリスマス商戦に新商品を投入できなかった事、そしてハズブロ(HASBRO)向けの輸出が減少した事が挙げられました。富山社長はこの中で、ハズブロ向けの輸出が減少したブランドの一つにベイブレードを取り上げていましたが、恐らくはトランスフォーマーも同じものと思われます。
 対策についての補足説明も有り、今年1月より希望退職者を募集した他に、役員は経営責任として役員報酬のカットを行うと共に賞与の支給は行わない事を話していました。また、富山社長は自身の経営責任についても触れ、ファンドを株主として招く事と、RC2(現:TIグループ)を買収する事を推進したのは自分であると話した他に、タカラでもトミーでもない、新しいタカラトミーを作る事と、世代交代を進める事が自身の経営責任である、と話していました。
 今後の方針については、「国内事業を再構築して収益性を高める」「海外事業の強化」「アジアでの展開の強化」の3点を挙げていた他、タカラトミーが合併してから安定に至るまで3年かかった事を引き合いに出して、TIグループが安定するには2~3年かかるという見通しを話していました。

5.決議事項の発表
 決議事項は、「第62回定時株主総会招集ご通知」の2ページを参照して下さい。以下はその簡単な解説です。

 第1号議案 … 所謂「配当金の金額の決定」。
           期末配当が前年(1株当たり7円)より減額されて1株当たり3円となり、昨年12月に実施された中間配当
           (1株当たり7円)と合わせて、1株当たり10円とされています。
 第2号議案 … これまで取ってきた、所謂「敵対的買収」に対する対応方針(防衛策)の継続
 第3号議案 … 本総会終了の時をもって取締役全員が任期満了となる為、新しい取締役の選任
 第4、5、6号議案 … タカラトミーや関連会社、海外子会社(TIグループ)の取締役や従業員等が賞与等の一環として
               タカラトミーの株式の交付を受ける際、その募集事項の決定をを取締役会に委任する事。
               昨年可決された議案から、「行使価額の決定方法」が変更されると共に、社外取締役と監査役が
               対象から外されています。


 この後、株主と取締役の質疑応答となりました。
 質問の内容は「議案に関するもの」か「タカラトミーの事業・商品に関するもの」に限られていた他、今回は「より多くの株主様にご質問頂く」事を理由に、質問時間は2分以内とされました。
 質問については一人の株主さんが複数の質問をされているのが殆どでしたが、ここではそれらを一問一答形式に纏めています。

■プラレール、ベイブレード、リカちゃんはもう古いと思う。新商品の開発を更に進めてはどうか。
→技術の進展に伴い、エレクトロニクス等を使用した新商品の開発を行っている。また、中学生以上の大人を対象にしたカードやフィギュアの開発にも力を入れている。(眞下専務)
→トミカ、プラレール、リカちゃんは、3つで50億円の安定収益が入る重要な収益基盤。「すごい!」と言われる玩具作りが課題と考えている。(富山社長)

■新任の役員候補の半数が銀行系出身の所謂「財務屋」の人だが、今後、コストに厳しくなって玩具開発がおろそかにならないか心配。
→世界中の経営方法を学んだ結果、様々な人を入れるのが良いと判断した。現在はその結果として経営がスピーディーに進んでいる。RC2買収の際に株価が下がってしまったが、今回はその教訓も踏まえている。(富山社長)

■これから少子高齢化が更に進んで行くが、それに対応して、お爺ちゃんやお婆ちゃんが施設でも楽しく遊べる玩具開発をして欲しい。
→玩具業界では、少子化は90年代から起こっており、現在は親のサポートが得られる商品(ベイブレード等)も作っている。また、中学生以上の大人に買ってもらえるフィギュアも作っている。今後は、ベイブレードや人形の技術を活かした商品開発をしたい。(眞下専務)
→玩具で世界市場を攻める方針なので、その為にRC2を買収した。現在の国内と海外のシェアは7:3だが、今後は5:5にして行きたい。(富山社長)

■(招集通知に記載されている)減損金額が60億と非常に大きい金額だが、事業報告には「海外子会社の一部の無形固定資産の減損損失」と、さらりと書かれているだけ。この状況はまだ続くのか?
→TIグループのライセンスの将来性を買収時に算定したが、これが上手く行かなかった為に減損となってしまった。(三浦常務)
→今後はそういう事が発生しないように注意したい。(富山社長)

■タカラトミーでは、新入社員をどのように育成しているのか?
→入社1年目は、「フィールド」という現場教育を行い、玩具点でお客様の声を聞くようにする。それ以外に、商品開発や経営についても教えている。(小島常務)

■(昨年の株主総会で、タイのプラレール工場が洪水被害を受けた話題が出た事について)タイ工場の現状はどのようになっているのか?
→タイ工場は、最盛期の半分まで回復した。政府も支援を進めている。タイ工場は政府の支援で作った壁で覆われる洪水対策がされているが、実際に洪水になれば、生産に支障が出るのは避けられない。(柳澤専務)

■タイでの生産は洪水のリスクが有るだけでなく、近年は生産コストも上がってきている。今後、生産拠点はどのようにする方針なのか?
→ミャンマー、カンボジア、ラオス、インドネシア等のタイ近隣諸国を検討しており、実験も行う予定。将来的な生産拠点は中国、ベトナム、タイ、タイ近隣諸国に分散させたい。(柳澤専務)

■トミカ博とプラレール博が開催されると毎回行っているのだが、開催する数をもっと増やして欲しい。
→プラレール博は5月に、トミカ博は8月に開催しており、毎回10万人以上の来場が有る。(富山社長)
→現在、ゴールデンウィークやクリスマス等の商戦期には地方で開催し、地元のテレビ局に取材に来てもらってもいる。今後要望が多ければ、もっと開催するようにしたい。(力石取締役)

Lamaze(ラマーズ)は、少子化対策として差別化が必要なのではないか。お爺ちゃんやお婆ちゃんの中にはお金を持っている人もいるので、多少高くても子供(孫)の為に買ってあげると思う。
参考:乳幼児発達学による知育玩具「Lamaze」が日本初上陸! - タカラトミー(livedoor HOMME)
→現在は心拍で動く玩具も開発している。差別化については検討したい。(眞下専務)

■最近、アベノミクスによる急激な為替変動が発生しているが、タカラトミーではこれによる「負の影響」は有るのか?
→現状では影響は無い。中長期的には、TIグループの利益で為替変動リスクにも対応出来るようになる見込み。(小島常務)

■大株主の中に「㈱インデックス」がいるが、この会社は2週間ほど前に循環取引で強制捜査が入っている。タカラトミーはこの循環取引に関わったの否か、これによる影響は有るのか否か、そしてインデックスとの今後の関係について答えて欲しい。
→インデックスへの強制捜査は6月12日に入った。現在タカラトミーでは過去の取引を調査中だが、現状ではそのような取引は無い。また、インデックスとの取引規模は小さいので、受ける影響は小さい。インデックスとの今後の関係については、現在証券取引等監視委員会がインデックスを調査中の為、コメントは控える。(三浦常務)

■トミカ博とプラレール博では入場者に限定のお土産を配布しているが、家族で入場すると人数分配布される為に、同じ物を複数個貰う事になってしまう。複数種のお土産を配布するようにして欲しい。
→お土産は子供を対象に配布している。今年の東京のトミカ博では、2つのお土産から1つを選択できるようにした。今後は複数種のお土産から選択できるようにしたい。(力石取締役)

■「LINE」関連商品の展開の現状を教えて欲しい。
→LINE関連商品は、昨年タカラトミーアーツで商品を発売したのを最初に、現在はキーチェーンを中心に商品展開をしている。4月からはTVアニメ化され(LINE TOWN)、売上の推移も好調。新商品の発売予定も控えている。(眞下専務)

■今回の総会は開始時間が午前10時となっているが、この開始時間に合わせて京成線に乗ったらひどく混雑していた。今後は開始時間を午後にして欲しい。
→特に回答無し(検討?)

■大株主上位10名の詳細を教えて欲しい。
→上位株主の説明。㈱インデックスを除く上位9名は、「富山社長およびその親族、関係企業」と「投資ファンド」に大別されるようです。

■取締役の中に数人、タカラトミー株を1株も持っていない人がいるが、その人達も、株を持っているつもりで(責任をもって)壇上に上がって欲しい。
→株を持っていない役員は、投資関連会社の人でもある。社内で「取締役が株を持っているのはおかしい」という気運が有る。今回のストックオプションに関する議案で社外取締役と監査役が対象から外されたのは、それを反映している。(富山社長)

■最近流行りのゆるキャラにあやかって、独自のゆるキャラを作ってはどうか?
→現在はLINE等、既に流行っているものを商品化する方向で展開しているが、将来的にはそれらから得られたものを活かして、当社発のキャラクターを作りたい。(眞下専務)

■昨年「アジアや中国に力を入れる」と言っていたのに、それが上手く行っていないのには理由が有るのではないか? また、その対策は考えているのか?
→日本と中国では商売のやり方が違っていたのが原因。昨年「騎刃王(キバオウ)」が成功したが、アニメ放映は中国企業が製作しないと行えない難しさが有った。騎刃王の玩具は中国で235万個、アジアで30万個売れており、中国市場の大きさを実感した。現在、中国の優秀な会社と、今後の展開に関する話し合いをしている。(柳澤専務)

■事業報告の内容が不十分だと思う。
→ルール(法令)の変更に伴って、不足している「業務の適正を確保する為の体制」等の第62期事業年度の報告は、インターネットでの開示と、受付で希望者のみに配布する方法に変更した。(三浦常務)
→インターネットでの開示に変更した事でご迷惑をお掛けし申し訳ない。監査は適正な監査を行うよう努めている。(野沢監査役)




6.議案採決
 質疑応答が終了すると、事前に出されていた議決権行使書と会場内の拍手で、議案の採決が行われました。
 提案されていた議案は全て、承認可決されました。

7.閉会宣言・新任取締役紹介
 富山社長による閉会宣言の後、新しく就任した3名の取締役の方が紹介されました。


 以上でタカラトミー第62回定時株主総会は終了。終了時間は12時7分頃で、約2時間の総会でした。

 今年3月期の決算が赤字であった事はやはり大きく、今回の株主総会では富山社長がお詫びの言葉を複数回述べていました。グループ再生計画とTIグループの安定化が今後の業績改善のカギになるのではないかと思いますが、これらは長期的に見なければならないのではないかと思います。
 質疑応答の中で、眞下専務がハキハキと答えていたのには、個人的に好感が持てました。眞下専務は質疑応答の中で「中学生以上の大人を対象にした商品の開発にも力を入れる」という話もしていましたが、これはトミカやプラレールやリカちゃんだけでなく、トランスフォーマーにおいても、今後の「マスターピース」シリーズ等の大人向けブランドの展開に何らかの良い影響を及ぼす予感がしました。今では大人をターゲットにした玩具は珍しくない為、その回答の内容自体は今更な感じもするのですが、タカラトミーが何十年にもわたって展開している独自のブランドは少なくない為、その点を考えると、ある程度は出遅れをカバー出来るのではないかと思います。
 昨年の株主総会での質疑応答では、商品の生産や仕様に関する質問が殆どでしたが、今回は「株主総会招集ご通知」の内容を読んだ上で、その内容に関する質問や意見をされている株主さんが多く、個人的にはとても勉強になりました。




TTsoukai62-019.jpg

 株主総会のおみやげ。
 今回の株主総会のおみやげは、「くるく~るエコFan」と、タカラトミーアーツの「LINE CHARACTER リフレクター」の2点でした。お土産が入っていた袋に同梱されていたチラシは「リカちゃんカタログ」の1点のみでしたが、会場では展示商品に関連したチラシの配布も行われていました。