hgaw163-001.jpg

 今回のレビューは、「HG AFTER WAR」の「163 ガンダムダブルエックス」を紹介します。今回はこれに関連して、「機動新世紀ガンダムX」の本放送当時に関する思い出話をば。
 管理人の実家が有る岩手県では1996年10月に「岩手朝日テレビ」が開局し、これに伴ってガンダムXが視聴出来るようになりました。それまではビデオでしか観れなかったガンダムがリアルタイムで観れるという事で、本放送当時の管理人は放送を録画していただけでなく、それを何度も視聴していました。
 岩手でのガンダムXは第1話からの放送はされず、初回の放送は第26話「何も喋るな」が、テレビ朝日での放送から約1週間遅れで放送され、以後も約1週間遅れでの放送となりました。その頃の主役モビルスーツは既にガンダムダブルエックスに交代していましたが、ガンダムダブルエックスのガンプラは順次発売されている最中でした。管理人は本放送当時に発売されたガンダムダブルエックスのキットは3種(1/1441/1001/100Gファルコンユニット)全て作りましたが、それもあって、ガンダムダブルエックスは個人的に非常に思い入れの強いモビルスーツの1体です。
 ガンダムダブルエックスのプラキットはTVアニメ本放送当時(1996年)に前述の3種が発売されましたが、それ以降はリメイクに恵まれず、このキットで遂に(プラキットとしては)初のリメイクが実現しました。劇中では「カトック・アルザミール」がガンダムダブルエックスを「15年目の亡霊」と呼んでいましたが、このキットはTVアニメ本放送当時から17年の時を経てリメイクされた「17年目の亡霊」と言えます。TVアニメ本放送当時は「ガロード・ラン」に近い年齢だった管理人も、それから17年の時を経て、今では「ジャミル・ニート」に近い年齢になってしまいました(笑)。

関連記事:
 ・HG BUILD FIGHTERS「001 ビルドストライクガンダム フルパッケージ」レビュー(2013年10月17日更新)
 ・HG AFTER WAR「109 ガンダムX」レビュー(再掲載版)(2012年12月20日更新)


※写真をクリックすると、元のサイズで表示されます。
※写真のキットは、素組みした物に細かい塗装とスミ入れを施したものです。実際の商品とは仕様が異なります。


■作品概要 ~機動新世紀ガンダムXとは~
 「機動新世紀ガンダムX」は、1996年4月~12月にテレビ朝日系列で全39話が放送されたテレビアニメです。
 物語は、当時100億を誇った人類の殆どをを死滅させ、地球にも致命的なダメージを与えた「第7次宇宙戦争」の終戦から15年後の地球を舞台に、荒廃した地球でたくましく生きる主人公の少年「ガロード・ラン」と、ニュータイプの少女「ティファ・アディール」を中心に、新たな戦争とニュータイプの真実をめぐる物語を展開します。
 「ガンダムダブルエックス」は、第22話「15年目の亡霊」で初登場した、ガンダムXの後継機のモビルスーツ(以下「MS」)であり、本作の後半期における主役MSです。第7次宇宙戦争において「ジャミル・ニート」が搭乗した「ガンダムX」の中枢部を流用して「新連邦軍」が建造した機体ですが、ガロード・ランによって奪取され、以後は「フリーデン」の主力MSの1機として活躍します。

■キット概要
 このキットは2013年10月11日頃にメーカー希望小売価格1,785円(税込)でバンダイより発売されました。
 「機動新世紀ガンダムX」のモビルスーツをプラキット化した「HG AFTER WAR(ハイグレード アフターウォー)」の第3弾となるキットで、ガンダムダブルエックスを1/144スケールで立体化しています。ガンプラの定番である全身フル可動とプロポーションの両立を図っている他に、付属している武器や最強兵器「ツインサテライトキャノン」の展開ギミックにより、劇中の様々なアクションポーズを再現する事が出来ます。




hgaw163-002.jpg

 パッケージ表面。パッケージは厚紙製のボックスに厚紙製のフタをする、ガンプラのパッケージでは定番の仕様です。
 ボックスのサイズは縦約19cm×横約30cm×高さ約7cmで、同じ価格帯の「HG」シリーズのパッケージとしては標準的なサイズです。イラストは「ツインサテライトキャノン」を展開したガンダムダブルエックスが描かれており、またその背景には同シリーズの「ガンダムXディバイダー」の写真が使用されています。




hgaw163-003.jpg hgaw163-004.jpg

 パッケージ側面。
 付属品の紹介や機体解説を写真と共に掲載している他に、同シリーズの「ガンダムXディバイダー」と組み合わせた遊び方の一例の写真も掲載されています。




hgaw163-005.jpg hgaw163-006.jpg
hgaw163-007.jpg

 ガンプラの説明書には、パッケージ側面よりも詳しい機体解説やキャラクター紹介が掲載されているのが定番ですが、それは本キットの説明書でも同様となっています。
 ガンダムダブルエックスの機体や装備を解説したページの下には、発売中の「HG AFTER WAR」のキットが紹介されています。これとは別にアクションポーズや可動範囲、カラーリングガイドを紹介したページには、劇中でのガンダムダブルエックスの活躍について書かれた文章が掲載されていますが、その内容は第34話「月が見えた!」を中心にしたものになっています。




hgaw163-008.jpg

 本キットに付属しているシール。
 シールのナンバーは21番まで有ります。シールの貼付面積は、リフレクターに貼付するものが大部分を占めています。
 本記事の写真のキットはシールを一切使用しておらず、全て塗装で仕上げています。




hgaw163-009.jpg

 ガンダムダブルエックス本体前面。頭頂高は約12.5cm、全高は約15.5cmあります。
 設定では、ガンダムダブルエックスは「ガンダムXを改修した機体」とされていますが、ガンダムXのパーツが流用されたのは中枢部のみで、それ以外は全て新しく建造されています。その為、ガンダムダブルエックスの全体的なフォルムやカラーリングは、ガンダムXとは大きく異なるものになっています。




hgaw163-010.jpg

 ガンダムダブルエックス本体後ろ。
 リフレクターとツインサテライトキャノンの砲身が「X」の文字を形成している点が特徴的です。
 なお、本記事の写真のキットは、色が足りない部分を「ガンダムマーカー」で足すと共に、スミ入れを行っています。また、ゲート痕にも成型色に近い色で塗装を施しています。カラーレシピは以下の通りです。
※塗装
 ・レッド … ガンダムレッド
 ・紺色 … ガンダムブラック(約40%)+ファントムグレー(約30%)+ガンダムブルー(約30%)
       ※混ぜ合わせた後に、少量のガンダムブラックで色味の調整をしています。
 ・イエロー … ガンダムイエロー
 ・グレー … ガンダムグレー
 ・ブラック … ガンダムブラック
 ・カメラ部分 … ガンダムアイグリーン
 ・ゴールド … 三国伝ゴールド

※スミ入れ
 ・ホワイト部分 … スミ入れ用<グレー> & スミ入れふでペン<グレー>
 ・ホワイト部分以外、異なる色のパーツの境界 … スミ入れ用<ブラック> & スミ入れふでペン<ブラック>





hgaw163-011.jpg

hgaw163-012.jpg hgaw163-013.jpg

 バストアップ。
 頬の部分に有るヒゲのようなディテールが特徴的で、これと額のアンテナで「X」の文字を形成しています。背部の「X」と合わせて、2つのX=「ダブルエックス」となります。
 カメラアイの両横には計2門の「ヘッドバルカン」が装備されており、また胸部ダクトの上と下には、計4門の「ブレストランチャー」が装備されています。これらは劇中でも戦闘中に頻繁に使用されており、第26話「何も喋るな」では、これらの一斉射撃で新連邦軍の試作MS「コルレル」を撃破しています。
 胸部中央に有るマイクロウェーブ受信部はクリアーグリーン成型となっています。説明書では、内側に11番と12番のシールを貼付するよう指示がされていますが、写真のキットではシール貼付を行わずにガンダムアイグリーンで塗装しています。




hgaw163-014.jpg

 ガンダムダブルエックス本体の可動は、首、肩、二の腕、肘、手首、腰、股関節、膝、足首が可動する、ガンプラとしては定番の可動範囲ですが、手首と二の腕以外の関節は2ヶ所以上の可動箇所が有り、非常に広い可動範囲となっています。
 肘は関節を軸に180°近くまで可動する為、写真のように肘を思い切り曲げたポーズも可能となっています。
 バックパックの砲身とリフレクターはバックパックとの接続部分に可動部分が有る為、本体のポージングに合わせてある程度動かす事が出来ます。




hgaw163-015.jpg

 膝も、肘と同様に180°近くまで可動する為、正座のポーズを取る事も可能です。




hgaw163-016.jpg

 腹部のレッドとホワイトのパーツは内部でボールジョイントによる接続がされており、これにより胸を反らしたポーズを取る事も可能になっています。
 ホワイトのパーツの中央部分はガンダムグレーで塗装しています。




hgaw163-017.jpg

 付属品一式。
 「ハイパービームソード」の刃が2本付属している他に、「専用バスターライフル」と「ディフェンスプレート」が付属しています。専用バスターライフルは、付属している専用の手首パーツを使用してガンダムダブルエックス本体に持たせます。




hgaw163-018.jpg

 ハイパービームソードを装備。
 左右のサイドスカートに付いているグリップ部分を取り外し、それに刃を取り付けて持たせます。




hgaw163-019.jpg

 ディフェンスプレートの裏面にはジョイントが付いており、これをガンダムダブルエックス本体の左腕に取り付ける事で装備します。
 ジョイントの下には、グリップと思われるディテールが有ります。TVアニメ本放送当時に発売された1/100スケールのキットではグリップを使用してディフェンスプレートを手に持たせる事も可能になっていましたが、このキットではそれがオミットされてしまっています。




hgaw163-020.jpg

 右手に専用バスターライフルを装備し、左腕にディフェンスプレートを装備した、フル装備状態。それぞれが専用の手首とジョイントを使用している為、武器を左右で持ち替える事は出来ません。
 ガロード・ランによって奪取された際のガンダムダブルエックスは携行武器を装備していなかった為、この2つの武器はフリーデンのチーフメカニック「キッド・サルサミル」が独自に製作したという設定が有ります。




hgaw163-021.jpg

 ここからはアクションポーズの例を4つ紹介。
 1つ目は、専用バスターライフルを使用した射撃ポーズ。本放送当時に発売されたキットでも射撃ポーズは可能でしたが、このキットではそれよりも可動箇所が大幅に増えている事で、ポージングの自由度が格段に高くなっています。




hgaw163-022.jpg

 このキットは近年の他のガンプラと同様に、バンダイから発売されている「アクションベース」シリーズ(別売)に対応しており、これを使用する事で、飛行中のアクションポーズも再現可能になっています。
 ガンダムダブルエックスは単独での飛行が可能なMSの為、劇中では空中戦に臨む事も多く有りました。




hgaw163-023.jpg

 両手にハイパービームソードを装備したアクションポーズの一例。TVアニメ本放送当時に発売されたキットよりも可動範囲が増えているお陰で、ハイパービームソードを振り下ろしたポーズもカッコ良く決まります。
 劇中では、ハイパービームソードは一振りだけで使用している事が多く、二振りを同時に使用したシーンは僅かしか有りませんでした。




hgaw163-024.jpg

 右手に専用バスターライフル、左手にハイパービームソードを装備し、更にアクションベースを使用して、第29話「私を見て」での、窮地から逆転するシーンを再現。
 新連邦軍のニュータイプ専用MS「ラスヴェート」と、それに操られている同型のビットMSの前に、ガロード達は本体が見抜けない事もあって苦戦を強いられ、ガンダムダブルエックスはバックパックを破壊され落下してしまいます。ラスヴェートは落下するガンダムダブルエックスに止めを刺すべくビットMSと共に追撃しますが、ティファの導きによって本体を特定したガロードはハイパービームソードを投擲して本体の頭部を破壊し、全てのビットMSの機能を停止させました。




hgaw163-025.jpg hgaw163-026.jpg
hgaw163-027.jpg hgaw163-028.jpg

 ガンダムダブルエックスの最強兵器「ツインサテライトキャノン」の展開は、下記の手順で行います。
 ①腕と脚の「エネルギーラジエータープレート」を展開する。
 ②リフレクターを展開する。
 ③砲身を約135°回転して上に向け、砲身を伸ばす。
 ④砲身を前に倒し、肩からマウントパーツを引き出して砲身を固定する。
 展開機構は劇中とほぼ同様で、パーツの差し替えをせずに行う事が出来ますが、マウントパーツの可動がオミットされています。




hgaw163-029.jpg

 ツインサテライトキャノン砲撃モード。リフレクター、エネルギーラジエータープレート、そして砲身が展開された事で、見た目が大きく変わります。
 設定では、ガンダムダブルエックスにはガンダムXの「サテライトシステム」を強化改良した「サテライトシステムMK-Ⅱ」が搭載されており、リフレクターの枚数増加による集光率の向上とエネルギー容量の増大、そしてエネルギーラジエータープレートの採用による冷却効率の向上により、出力はガンダムXの数倍にもなるとされており、それを撃ち出す為に連装タイプの砲身が採用されています。また、この強化改良によって、ガンダムXでは不可能だった連射も可能になっています。




hgaw163-030.jpg

 ツインサテライトキャノン砲撃モード後ろ。
 このモードでは背部には「X」の文字を形成せず、展開された6枚のリフレクターのみが有ります。




hgaw163-031.jpg

 ツインサテライトキャノン砲撃モードを斜め上から見た写真。
 本放送当時に発売された1/144スケールのキットでは2門の砲身が並行に並んでいましたが、このキットの砲身はハの字状になります。これは劇中のツインサテライトキャノン砲撃モードを再現していますが、本放送当時に発売された1/100スケールのキットでも同様になっています。




hgaw163-032.jpg

 後期オープニングアニメーション等で使用された、ツインサテライトキャノン発射シーンを再現したポーズ。実際のシーンでは砲身にパースがかかっており、これよりも砲身が大きく見えるようになっています。
 ガンダムダブルエックスは第22話から登場し、第39話(最終話)まで活躍しますが、劇中でツインサテライトキャノンを使用したのは第24話(1発発射)、第25話(1発発射)、第34話(3発発射)、第39話(1発発射)の4話で、発射回数は計6発にとどまっています。




hgaw163-033.jpg

 専用バスターライフルとディフェンスプレートを装備した状態でのツインサテライトキャノン砲撃モード。劇中では武器を持っていないか、武器を破壊されてしまった後にツインサテライトキャノンを使用している事が殆どでしたが、第34話「月が見えた!」では、武器を持った状態でツインサテライトキャノンを使用していました。
 ガンダムXのサテライトキャノンは発射する際に両手を使用しなければなりませんでしたが、ガンダムダブルエックスではそれが改良された事によって手を使用する必要が無くなっており、武器を持った状態での発射が可能になっています。




hgaw163-034.jpg

 本放送当時に発売された1/144スケールのキットのパッケージイラストを再現したポーズ。
 余談ですが、劇中ではツインサテライトキャノン砲撃モードで専用バスターライフルを使用するシーンは有りませんでした。




hgaw163-035.jpg

 本キットのパッケージイラストを再現したポーズ。
 ツインサテライトキャノン砲撃モードをしっかり見せる為か、ディフェンスプレートは装備していません。




hgaw163-036.jpg

 このキットの発売の約1週間前に発売された、「HG BUILD FIGHTERS」の「001 ビルドストライクガンダム フルパッケージ」と。
 このキットは、「ガンダムビルドファイターズ」のシリーズ展開開始に伴ってスタートした、歴代の主役ガンダムをHGシリーズで商品化する「HGオールガンダムプロジェクト」の第2弾キットとして発売されました。その為、この2体の関節部分は似通ったものが使用されており、このキットよりも前に発売された「HG AFTER WAR」のキットとは大きく異なる関節構造になっています。




 以上、HG AFTER WAR版ガンダムダブルエックスでした。

 ガンダムダブルエックスの初のリメイク版キットである本キットですが、各所を劇中に近い形でリメイクしているだけでなく、本キット独自のアレンジを加えた部分も多々見受けられます。劇中に忠実なデザインやギミックを求める人にとってはやや不満の残るキットになってしまっているのではないかと思いますが、個人的にはサイズ、価格帯、遊び易さを総合的に考慮した結果であると、好意的に受け止めています。
 本放送当時に発売された1/100スケールのキットでは、後発商品の「Gファルコン」との合体の為に一部装甲の取り外しが可能になっていましたが、このキットにはそれが無い事からGファルコンの発売予定が無い事が窺え、その点については残念に思います。
 ガンダムダブルエックスは個人的に非常に思い入れの有るMSの1体ではあるのですが、これまでリメイクの機会に恵まれていなかった為、今回初のリメイクに恵まれた事は非常に嬉しく思っています。本放送当時に発売されたキットを全て手に取った事がある身としては、TVアニメ本放送から現在までの17年の間にガンプラの開発技術が著しく進歩している事も感じられました。
 本記事掲載時点において、HG AFTER WARの新作の発売予定は有りませんが、既に発売されている同シリーズの「ガンダムXディバイダー」と組み合わせれば、劇中での共闘を再現する事が出来ます。