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 昨日、グランドプリンスホテル新高輪で行われた、バンダイナムコホールディングスの「第9回定時株主総会」に行ってきました!
 過去のタカラトミーの株主総会のレポートにおいて「タカラトミーの『現在』を知る事は、トランスフォーマーを含むタカラトミー商品全ての『これから』を占う要素の一つになる」と書きましたが、それはバンダイナムコグループと「機動戦士ガンダム」シリーズ(以下「ガンダムシリーズ」)の関係においても同じと言えます。ただ、ガンダムシリーズは玩具、映像、ゲーム等の関連商品の大部分をバンダイナムコグループの企業が手がけているので、占う要素としては非常に大きいものであると言えるでしょう。
 今年はガンダムシリーズ生誕35周年という事で、既に複数の新作アニメの製作が決定しています。管理人がバンダイナムコホールディングスの株主総会に出席するのは今回が初めてでしたが、ガンダムシリーズ生誕35周年に向けたバンダイナムコグループの意気込みを知るという点においても、今回の株主総会は非常に楽しみにしていました。
 今回の「前編」では、株主総会の中盤部分までをメインに紹介します。


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 管理人が会場の最寄り駅の「品川駅」に到着したのは、午前9時40分頃。駅前には、案内のプラカードを持った人が複数人立っていました。
 なお、この日グランドプリンスホテル新高輪では「ANAホールディングス㈱」の株主総会も行われていたようで、それを案内するプラカードも立っていました。




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 会場に入ると、「機動戦士ガンダム35周年プロジェクト」とその内容について紹介したパネルが置かれていた他に、歴代ガンダムの映像作品の宣伝ポスターが印刷されたパネルも置かれていました。廊下は回りながら下って行く形で、パネルはその左手側に、作品の展開が開始された年代順に並べられていました。




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 時系列順で最新となる「ガンダムビルドファイターズ」のポスターの隣には、「MOBILE SUIT GUNDAM 35th Anniversary」と書かれた巨大な展示物が有り、ガンダムシリーズ生誕35周年記念作品として展開する(または展開した)、「機動戦士ガンダムUC」「ガンダム Gのレコンギスタ」「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」の3作品が紹介されていました。




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 廊下を更に下っていった先に、受付会場が有りました。
 受付を済ませた株主には、今回の総会の進行についての案内が記載された色付きのシートと、株主出席票が渡されました。
 色付きシートには複数の色が有り、総会中の質問の際には、このシートを掲げるよう指示がありました。
 株主出席票はストラップと出席票の隅に、ガンダムシリーズ生誕.35周年のロゴが描かれていました。裏面は「浅草花やしき」の1日フリーパス引換券となっています。写真には有りませんが、配布時には下部に「お土産引換券」が付いており、総会終了後にこれを切り取ってもらった上でお土産を貰うようになっていました。
 今回、管理人は受付の際に必要な議決権行使書を忘れてしまうという大失態を犯してしまったのですが、身分証明書による本人確認によって、受付してもらう事が出来ました。時間は少しかかってしまいましたが…(汗)。




 総会は、大宴会場の「飛天」で、予定通り10時頃から開始されました。
 任期満了する取締役と新任予定の取締役候補が壇上に上がると共に、「石川祝男(いしかわ・しゅくお)」社長が議長席に立ちました。

1.社長挨拶
 石川社長による挨拶と、第9期(2013年4月~2014年3月)の取締役と監査役の紹介。
 ここで、石川社長が本総会の議長を務める事が発表されました。

2.監査報告
 監査役からの監査に関する報告。バンダイナムコホールディングスやその取締役が、法令や定款(会社の憲法)への違反の有無や、不正の有無について報告されます。
 報告内容によれば、問題は特に無いとの事です。

3.事業報告
 第9期の事業報告。内容は映像上映で行われ、ナレーションは「桑島法子」さんが担当していました。
 内容に関する細かな紹介は割愛しますが、国内のトイホビー事業とコンテンツ事業が好調だった一方で、アミューズメント事業は不採算店舗の閉鎖を行う等の立て直しを行い、また欧米のトイホビー事業は「Power Rangers(パワーレンジャー、以下カナ表記)」が堅調に推移したものの苦戦を強いられたとの事です。
 営業利益は44,672百万円(前事業年度比8.2%減)、経常利益は47,456百万円(前事業年度比5%減)、純利益25,054百万円(前事業年度比22.6%減)との事でした。

 映像による事業報告の後には、石川社長による報告が有りました。
 バンダイナムコグループは2012年より「進化」「成長」「挑戦」をテーマに3年間の中期計画を立てていたそうで、この結果として2012年には過去最高益を上げ、2013年には過去最高売上高を上げたとの事。これにより東京証券取引所主催の「企業価値向上表彰」で「優秀賞」を受賞しており、これについては「喜ばしい事」とコメントしていました。
 国内のトイホビー事業については、未就学児向けと小学生向けでトップのシェアを誇っているので、これについては今後も推進していくとの事。コンテンツ事業は「ラブライブ!」等のライブイベントも積極的に行う事や新たなIP(キャラクター等の知的財産)を開拓する事、そして変化にもスピーディに対応するとの事でした。
 海外展開に関する話も有り、バンダイナムコグループにおける海外展開のシェアは全体の20%で低い為に開拓の余地が有るとされており、アジアはユーザーの感覚が日本に近い事から国内向け商品をを海外展開し、欧米ではトイホビー事業はパワーレンジャー、コンテンツ事業ではゲームを中心に進めて行くとの事でした。
 全体の戦略としては、IPを中心にした「IP軸戦略」を最も重要としており、2014年度で3年間の中期計画が終了する事に向けて、新たな中期計画の策定もしているとの事でした。


 この後、株主と取締役の質疑応答となりました。
 質問は1人につき1問のみとされていましたが、多数の挙手が有った事から、中には質問出来ずに終わった株主さんもいました。
 質疑応答の内容は以下の通り。中には2つ以上の質問や意見をしようとして石川社長から注意された方もいましたが、そのような部分については省略します。
■トイホビー事業の売上は増えてるのに利益が減少してるのは何故? 今後はどのように対処するつもりなのか?
→海外展開が一番の原因。(石川社長)
→欧米での不振が原因。国内とアジアでは過去最高の結果を出したが、海外では損失幅が拡大してしまった為にこのような結果に。対策としては欧米での事業の立て直しや先行投資を計画しているが、パワーレンジャーと、これから日本でも公開予定の「GODZILLA(ゴジラ)」に期待。(上野副社長)

■海外でのカントリーリスク(法的・宗教的規制)は、どのようにチェックしているのか?
→カントリーリスクは多種多様で、経験に基づいてチェックしている。例として挙げるのが適切かどうか分からないが、パワーレンジャーでは5人の戦士の役者には様々な人種を起用する事で、人種差別と受け取られないようにしている。(上野副社長)

■アミューズメント事業で8~9億の損失が出ている。ガンダムや「アイドルマスター」とコラボして強化を図ってみてはどうか。
→版元さんと協議して、使えるものは使って行きたい。(橘取締役)

■2020年の東京オリンピック開催に向けて、卓球ゲームを作ってみては?
→卓球モチーフのゲームは過去にも幾つか作った事が有り、現在も稼動しているゲームセンター等が有るはず。企画は考えてるので、期待していて欲しい。(石川社長)

■端的に言って「キャラクターゲームをナメてる」のではないか?「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル」は1人プレイでも課金を必要とし、「機動戦士ガンダム サイドストーリーズ」は「完全リメイク」としておきながらも不完全な収録内容、「機動戦士ガンダム EXTREME VS. FULL BOOST」はコンシューマー版発売の1ヶ月後という短いスパンでにアーケード版に新作が登場した。
→そのように受け取られてしまった事は申し訳ない。(石川社長)
→同じご意見は多数有った。「ジョジョ」については、現在徐々に改善している。ガンダムについては、家庭用、ソーシャル、アミューズメントでそれぞれ違う部分が有るが、この点については研究して行きたい。(大下取締役)

■当期純利益が、売上高の20分の1しか無い。私は大学の経済学の教員だが、その目から見て、1株当たり50円の配当は出せると思っている。 ※第9期の年間配当金は1株当たり35円となる事が、本総会の議案となっています。
→アミューズメント事業の固定費をペイする(支払う)だけの売上高が無かったのが原因。
 ※この他、50億円の種まき投資をした事や、利益が見込めない資産について33億の特別損失を計上した事も、別の方から
  話されました。

■女児向けのトイホビー事業について、未就学児には「プリキュア」シリーズ、小学生向けには「アイカツ!」でターゲットを分けていると聞いているが、ちゃんとしたターゲット分けが出来ておらず、かぶっていると思う。
→元々はプリキュアと「たまごっち」で分けていたが、アイカツ!はヒットした事を受けて加えた。プリキュアは変身グッズをメインに販売し、アイカツ!はカードゲームを中心に販売している。プリキュアのカードゲームやアイカツ!の玩具も販売しているが、メインはあくまでも前に述べた通りにしている。(上野副社長)
 ※関連情報として、前期のプリキュアシリーズの売上が98億円、アイカツ!の売上が130億円だった事も話されました。

■新しいゲームのハードが出るとバンダイナムコゲームスはすぐに何らかの新作を出しているはずだが、「プレイステーション4」と「XBOX One」では新作を出していない。この件の理由と対処を教えて欲しい。
→新作製作は現在やっている。ワールドワイドにやる予定。タイトルはまだ言えない。遅れてしまった原因は「プレイステーション3」向けソフトに注力して手薄になったからだが、今後は全力でやりたい。(大下取締役)

■現在、「妖怪ウォッチ」がヒットしているが、今年度の関連事業の売上目標などが有れば、教えて欲しい。
→70億円の達成を目指している。しかしながら、現在の見込みでは「年度内(2015年3月まで)」ではなく「年内(2014年12月まで)」に達成出来そう。また、メダルが現在品薄になっている事については申し訳ない。増産体制を組んだので、夏には期待して欲しい。(上野副社長)

■今年はガンダムシリーズ生誕35周年で色々な企画が動いているが、「SEED」や「00」で獲得した女性ファン向けの商品が手薄になっている。開拓の余地が有ると思うし、何とかして欲しい。
→対応商材は現在研究している。今出ているのだと「ガンダムさん」というのが有る。(上野副社長)

■資産の減損損失の原因と対策を教えて欲しい。
→収益が見込めないものを計上した。来年以降は発生しないはず。(大津取締役)

■先頃、「KADOKAWA」が「ドワンゴ」と経営統合した。ドワンゴは「ニコニコ動画」で二次創作に対して寛容な姿勢をとっているが、バンダイナムコグループの二次創作に対する考え方を教えて欲しい。
→版元や原作者の権利を損ねないよう、お借りして使うようにしている。(石川社長)

■作品の枠を超えたコラボが好き。最近では「仮面ライダー(鎧武)」と「キカイダー」がコラボしていた。これと同様に、「アイドルマスター」と「ラブライブ!」のコラボをやってみてはどうか?やってくれればラブライバー(「ラブライブ!」のファン)の端くれとしても嬉しい。
→版元さんと調整しつつ、挑戦してみたい。コラボ企画については、まだ言えないが進行中のものが有る。(石川社長)

■株主数が昨年よりも減っている。対処方法は考えているのか。 ※前期:42,800名、今期:35,339名
→個人の株主が減っている。対策としては、地方で個人投資家説明会を開催している。私も行った。(石川社長)

■現在サッカーのワールドカップが開催されているブラジルで、「巨獣特捜ジャスピオン」と「世界忍者戦ジライヤ」が、知らない人がいないくらいに大ヒットしているという。これは商品が売れるチャンスなのでは?
→海外ではコレクター向け商品のシェアが着実に増えているが、急激に増やすのは難しい。(石川社長)
→昨年、現地に行って確認した。2作品の他に「聖闘士星矢」もヒットしている。商品を売りたいが、ブラジルの関税は34%で、現地では高額商品になってしまう。(上野副社長)
→昨年、現地に会社を設立して、現地生産をしている。その中では「聖闘士星矢」がヒットしている。(大下取締役)

■2~3年前に多摩地区にアミューズメント施設を開設するという資料が届いたが、その施設の状況は現在どうなっているのか。
→分からない。当社ではないのではないか。(石川社長)
 ※この少し後、質問された施設が「namcoクロスガーデン多摩店」である事が特定され、現在の運営状況は順調であるとの
  報告がされました。

■消費税が増税されて、ガンプラ等は小売価格に上乗せする事で対処出来たと思うが、アミューズメントのプレイ料金は増税に対応出来ているのか?
→アミューズメント事業だけでなくベンダー事業(ガシャポン等)も増税の対象になっており、この2つで約10億円の影響が有る。(石川社長)
→今はやっていない。以前より「ナムコイン」という電子マネーの研究をしているが、全国的に展開するのが難しい。「クロスガーデン」は200円から208円に料金改定したが、アミューズメントの料金は今後、プレイ金額に応じたゲームを作る事で対処する。(橘取締役)
→ガシャポンやカードは為替変動の影響も有って、粗利の確保が大変。最近出した筒に入ったガシャポン(ガシャポンカン)は、「烈車戦隊トッキュウジャー」のものは他の玩具と連動して遊べるようにする事で付加価値を付けた。粗利を維持したいが、苦戦している。(上野副社長)

■3Dプリンターが最近普及している事について、どのように考えているのか。
→3Dプリンターはフィギュア製作で使用している。(石川社長)
→数年前から、工業用の3Dプリンターを使っている。これによって、従来は2週間くらいかかっていた立体物の試作品製作が一晩で出来るようになった。3Dプリンターに関する情報は収集している。(上野副社長)

■親子で「妖怪ウォッチ」にハマっている。しかし、メダルが品薄で、ネットオークションでは高い時には5万円でメダルが転売されている。新作も量販店で入手するのが難しくなるのではないか。
→申し訳ない。(石川社長)
→「妖怪ウォッチ」の商品は1月から発売した。ある程度の人気が出る事は予想していたが、実際の人気は予想外で、1月~3月に700万枚のメダルが売れた。これを受けて、4月に2500万枚生産した。現在、フィリピンの工場も稼動して、毎月1500万枚~2500万枚生産出来る増産体制を組んだ。今月から来月にかけて、玩具店だけでなくコンビニにも流通するようになるはず。(上野副社長)





 今回はここまで。
 次回の「後編」では、総会後半の様子と、その後に行われた株主体験会の様子を紹介します。

2014年6月25日追記:「後編」を掲載しました。
 ・「㈱バンダイナムコホールディングス 第9回定時株主総会」レポート(後編)