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 前回の「前編」に続く、今回のバンダイナムコホールディングス株主総会レポは、株主総会後半の内容と、その後に行われた「株主体験会」の様子を紹介します。
 上の写真のパネルは、株主体験会の時に掲示されたパネルです。「進化」「成長」「挑戦」は、バンダイナムコグループの2012年~2014年にかけての中期計画のスローガンで、それと共に、「ガンダム」がバンダイナムコグループの象徴であるかのようにCGで描かれていました。

関連記事:「㈱バンダイナムコホールディングス 第9回定時株主総会」レポート(前編)(2014年6月24日更新)


4.議案の採決
 事業報告に関する質疑応答の後は、議案の採決が行われました。採決は各議案毎に、「議案の発表→議案に関する質疑応答→拍手での採決」の順で行われました。
 なお、最初に発表された議決権行使にの数に関する発表によれば、全体の98%~99%の議決権が事前行使されていた為、採決の行方については事前にほぼ確定していたと言えます。

第1号議案:剰余金の処分の件
 所謂「配当金の金額の決定」。今回の期末配当は、安定配当12円に業績連動配当11円を加えた23円とする議案が出されていました。
 この議案の際に出された質疑応答は以下の通り。
■配当金の額を50円にして欲しい。 ※事業報告の際に同じ意見をした人によるもの
→年間24円の配当金をベースとして、事業年度の業績に応じた加算をしている。今期の1株当たりの利益は114円5銭という結果を踏まえて、この金額となった。(浅古取締役)

株主優待を商品券ではなく、グッズ等の現物にしてはどうか。(例:「妖怪ウォッチ」のメダル、ライブイベントのチケット)
→現在は複数の商品券等の中から自由に選択してもらう形にしている。当初、メダル引換券は無かったが、後から追加した。メダル引換券は今後、「ナンジャタウン」でも使えるようにしたい。(浅古取締役)

■配当性向30%の根拠を示して欲しい。50%くらいあっても良いのではないかと思う。
→新商品の開発等、将来の投資予算の確保の為。意見については前向きに検討する。(石川社長)

■株主への長期保有優待は検討しているのか。(例:保有年数が長ければ長いほど、「アイドルマスター シンデレラガールズ」のレアなカードが貰えるようになる)
→検討はしている。(石川社長)
→検討はしたが、結果として不採用になった。理由はリーガル(法的)な面で「グレー」だから。(浅古取締役)

第2号議案:定款一部変更の件
 「定款」は、「会社の憲法」とも言われます。その為、変更には原則として株主総会の決議が必要です。
 今回出された議案は、定款第1条第2項に書かれている「英文では、NAMCO BANDAI Holdings Inc.と表示する。」を、「英文では、BANDAI NAMCO Holdings Inc.と表示する。」に変更するというものでした。
 この議案の際に出された質疑応答は以下の通り。
■変更する事によるメリットを教えて欲しい。
→来年は経営統合10周年。海外ではナムコの方が認知度が高かった事からこのようにしていたが、今後の事を考えて変更する事にした。(石川社長)
→現在、バンダイナムコグループの商品は複数のブランドの併記がされているが、これによってそれを無くす事が出来る為。(浅古取締役)

■国内法では、定款に英文名を記載する事は定められていないのだから、定款に載せる必要は無いのではないか。
→ワールドワイドに事業を行っている為、載せている。(石川社長)

第3号議案:取締役9名選任の件
 石川社長をはじめとする9名の取締役は、本総会終了の時をもって全員が任期満了となります。その為、新しい取締役を選任します。石川社長や上野副社長等のように継続する候補もいる一方で、今回は候補とならずに退任する取締役、そして今回選任されれば新任の取締役となる候補もいました。この議案のはじめに、各候補者の自己紹介が有りました。
 この議案の際に出された質疑応答は以下の通り。
■佐山展生さん(社外取締役候補)と松田譲さん(社外取締役候補)は一度リタイアした人なのに、何故採用を決めたのか? もっと若い現役の人を採用して欲しい。
→優秀な人は、国籍・年齢を問わずに採用する方針。(石川社長)
→現在、(別会社の)社長をやっている。(佐山さん) ※佐山さんはその他、別会社の社外取締役や大学教授もされています。
→現役時代は本業に専念する為、断っていた。現在は15の肩書きを持っている。(松田さん)

■橘(正裕)さんが退任する理由を教えて欲しい。
→橘さんはアミューズメント担当としてやってきたが、アミューズメント事業を立て直す為に(萩原仁さんと)交代する。今後は会長となる。(石川社長)

■(新任の社外取締役候補の)松田譲さんは、元々完全な異業種(協和発酵工業㈱、加藤記念バイオサイエンス振興財団)の人。年齢面でも不安が有る。
→異業種出身者だからこそ、幅広く活躍出来ると見込んでいる。(石川社長)

■大津(修二)さんが担当する海外展開の方針について教えて欲しい。萩原(仁)さんには期待している。
→米国のトイホビー事業の不振を立て直す。現在は回復基調にあるが、各子会社の支援やモニタリングをしていく方針。(大津取締役)
→萩原さんは、土日も返上して全国のゲームセンターを回り、スタッフ等から話を聞いている。期待している。(石川社長)

■現在、国会でカジノ(解禁)法案の動きが有るが、バンダイナムコグループでは(解禁された場合に)カジノを運営する予定は有るのか。
→現在は無い。パチンコ・パチスロ機器の提供はしている。(石川社長)

■大津(修二)さんは、バンダイナムコグループのコンテンツの事が分かる人なのか。
→各事業を統括管理する仕事をしている。(石川社長)
→公認会計士としての会社経営に関する経験や、海外での交渉に役立つ語学的な面を買われて起用された。現在は日本に住んでいるが、テレビ電話等を使って海外と連絡を取っている。(大津取締役)

第4号議案:監査役4名選任の件
 監査役は、会社や取締役の業務・会計が適正に行われているかを監査する機関です。候補者は4名いましたが、内3名は社外監査役でした。こちらは議案のはじめに、各候補者の挨拶が有りました。
 この議案の際に出された質疑応答は以下の通り。
■(社外監査役候補の)須藤(修)さんは、前期の取締役会の出席率が100%ではなく、2回欠席している。これについて、今後はどのように考えているのか。
→定時の取締役会は出席出来ているが、(弁護士の仕事の都合で)法廷に立つ事も有るので、臨時の取締役会は欠席する事も有る。今後は極力無いようにしたい。(須藤監査役)

■須藤さんと、(社外監査役候補の)上條(克彦)さんは、年齢が高く、十分な仕事が出来るかどうか心配。
→二人は役割を十分果たせる人であると確信している。(石川社長)

 なお、提案されていた議案は全て、承認可決されました。

5.閉会
 退任する4名の取締役の紹介が行われた後、本総会は閉会しました。
 閉会したのは12時22分頃で、約2時間20分の総会でした。




■株主体験会
 株主総会の終了後に会場を出ると、ロビーにはバンダイナムコグループの主な商品が展示されており、さながら玩具イベントの会場のようになっていました。
 体験会の会場には株主さん達だけでなく取締役もスタッフの案内の下で展示を見に来ており、株主が取締役に直接質問や意見を言えるようになっていました。




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 会場の案内図。水色の部分がガンダムシリーズ関連商品の展示スペースでした。
 展示スペースの面積、展示商品数共に、他のブランドよりも多くなっていました。これに加えて「前編」で紹介したパネルの展示も有った事から、展示されていたブランドの中では他よりも遥かに大きい規模となっていました。




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 ガンダムシリーズの展示スペースには、主力商品のガンプラをはじめとして、様々な新商品が展示されていました。




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 展示品の中にはアパレルグッズも有った他、「ガンダムフロント東京」の紹介や会場限定グッズの展示も有りました。




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 本記事掲載時点では発売直前となっている「HG UNIVERSAL CENTURY」の「ネオ・ジオング」は、同シリーズの「フルアーマー・ユニコーンガンダム(デストロイモード)」「ユニコーンガンダム2号機 バンシィ・ノルン(デストロイモード)」と共に、対決シーンをイメージした状態でディスプレイされていました。
 このキットについては、本総会開催の少し前に株主宛に送られたニュースレターでも紹介されていた為、知っていた株主さんも多かったのではないかと思います。




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 6月12日~15日に東京ビッグサイトで開催された「東京おもちゃショー2014」の会場にも展示されていたという、「ガンダムビルドファイターズ」の新シリーズスタートを告知する展示物も有りました。




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 今秋スタート予定の新カテゴリー「REBORN-ONE HUNDRED」の展示も有り、その第1弾キットとなる「ナイチンゲール」の試作品の展示も有りました。なお、第2弾の「ガンダムMk-Ⅲ」や第3弾の「ガンダム試作4号機 ガーベラ」については、小さく告知されていました。




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 「REBORN-ONE HUNDRED」の展示スペースの隣は「ガンダムトライエイジ」の展示スペースで、ゲームの笙体と、最新弾である「BUILD MS 第7弾」のカードリストが展示されていました。




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 ガンプラの展示スペースの向かいには、柱を囲むように設置されたショーケースが有りました。
 ここでは、「一年戦争」に登場したモビルスーツの「HG UNIVERSAL CENTURY」のキットや「RG(リアルグレード)」のキットの他に、「ROBOT魂」や食玩やガシャポン等、様々なガンダムフィギュアの新商品が展示されていました。




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 ガンダムシリーズの展示スペースの隣(案内図の黄色の部分)はキャラクターステージとなっており、「仮面ライダー鎧武/ガイム」のライダー(鎧武、バロン)との撮影会や握手会が行われていた他、「ナムコナンジャタウン」関連のステージイベントも行われていました。
 その更に隣(案内図の橙色の部分)にはアミューズメント施設を紹介したパネルが掲示されていました。紹介されていたのは、池袋に有る「ナムコナンジャタウン」と、幕張に有る「東映ヒーローワールド」の2つでした。




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 バンダイナムコグループの組織体制を紹介したパネルや、品質管理、社会貢献活動等を紹介したパネルも掲示されていました。




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 「アイカツ!」の展示スペースには、ゲームの笙体や関連グッズが展示されていた他、作品の概要や歴史について紹介したパネルも掲示されていました。
 掲示されていたパネルの内容によれば、展開開始から1年目の2013年3月期は18億円の売上となり、更に2年目となる2014年3月期には159億円の売上となったそうで、急速に人気を獲得している事が窺えます。




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 「太鼓の達人」は笙体が展示されていただけでなく、実際にプレイする事も可能でした。
 プレイ料金は無料ですが、プレイ回数は1人につき1回までという制限がかけられていました。




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 株主総会が行われた会場は、株主体験会開催時にはプロモーション映像の上映会が開催されていました。
 映像上映時間は約20分で、冒頭部分には「桑島法子」さんのナレーションが入っていました。桑島さんは自己紹介の際、「ガンダムシリーズ等に出演している、桑島法子です」と紹介していました。
 上映されたアニメ作品は2014年1月~6月にテレビ放映やブルーレイ、DVDがリリースされた作品と、今後テレビ放映やCD、ブルーレイ、DVDのリリースが予定されている作品で、使用された映像はコマーシャルフィルムやプロモーションビデオの一部でした。
 最初に上映されたのは、バンダイナムコグループのアニメ制作会社「サンライズ」の作品で、ガンダムシリーズからは「ガンダムビルドファイターズ」「機動戦士ガンダムUC episode7『虹の彼方に』」「ガンダム Gのレコンギスタ」の3作品の他、「ケロロ」「劇場版 TIGER & BUNNY -The Rising-」「映画かいけつゾロリ まもるぜ!きょうりゅうのたまご」等、多数の作品が紹介されていました。
 次に上映されたのは、多数のアニメ作品のブルーレイやDVDをリリースしている「バンダイビジュアル」の作品で、こちらでは「攻殻機動隊」「ガールズ&パンツァー」等が上映されました。
 最後に上映されたのは、バンダイビジュアルの子会社であるレコード会社「ランティス」に所属する主なアーティストのニューシングルで、こちらでは「スフィア」「浪川大輔」「小野賢章」が紹介されていました。
 管理人が上映会場から出たのは13時10分頃で、その時には殆どの株主さんが会場を出ており、展示スペースは閑散としていました。




 以上、バンダイナムコホールディングス第9回定時株主総会レポでした。

 国内では最大の玩具メーカーであるバンダイを子会社に持つ会社だけあって、国内とアジアでは高いシェアを誇っているバンダイナムコグループですが、現在アミューズメント事業の不振と欧米での事業の不振の立て直しが大きな課題となっており、この部分が解決されれば、業績の更なる向上が見込めるのではないかと思います。企業価値の向上という面でも中期計画を立てて努力している事もあって、純粋に投資を目的として株を買ったという株主さんもいたものの、個人投資家の数は昨年よりも減少しているとの事で、この流れを変えて行く事も課題になっているようです。
 「妖怪ウォッチ」の関連商品は、大ヒットした一方で店頭では品薄が続いていた事がユーザーの間でも問題になっており、先行きが不透明だった生産体制は株式投資の専門家でも不安視する論調が見られましたが、増産体制を組んだ事で、この問題が今後は解決されていく事が期待されます。
 タカラトミーが「玩具そのものの面白さ」を最大の武器としているのに対して、バンダイナムコグループは「IP(キャラクター等の知的財産)を中心にしたものづくり」が基本戦略となっており、この点では大きく異なっていると言えます。映像作品の販促効果が大きい事は言うまでもない事で、一つの作品をグループ企業内において複数の事業を跨ぐ形で展開するこの戦略は、企業価値向上の努力も相俟って成功していると言えるでしょう。
 質疑応答に臨んだ株主さんの傾向としては、特定ブランドや特定作品のファンの方もいる一方で純粋に利益を得る事を目的としている方もいました。その為、質疑応答では様々な質問や意見が出ており、個人的には非常に興味深く聴けました。




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 今回の株主総会のお土産。
 今年はガンダム生誕35周年という事で、「HG BUILD FIGHTERS」の「009 スタービルドストライクガンダム プラフスキーウイング」がお土産となっていました。実は受付をしている時に商品名が書かれた大きなダンボール箱を見かけたので、総会開始前に予想出来てしまっていました(笑)。
 また、非売品のガンダム生誕35周年ステッカーも同梱されており、お土産が入っていた袋にはガンダム生誕35周年のロゴが印刷されていました。
 総会の中でガンダムシリーズが話題に出る事はそれほど多くはありませんでしたが、展示物については前述の通り他ブランドより圧倒的に多く、ガンダム生誕35周年に向けたバンダイナムコグループの意気込みが感じられると共に、個人的にも大満足の内容でした。
 なお、スタービルドストライクガンダムは発売時に購入して作ってレビューした為、このお土産は組み立てずに取っておこうと思ってます(笑)。

 ・HG BUILD FIGHTERS「009 スタービルドストライクガンダム プラフスキーウイング」レビュー(2014年3月11日更新)