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 前回の「前編」に続く、今回のタカラトミー株主総会レポは、株主総会終了後に行われた「新中期経営方針報告会」を中心に紹介します。
 一昨年と昨年のタカラトミーの株主総会は、約2時間の株主総会が行われたのみでしたが、今回は株主総会の時間を短縮し、総会終了後にこの報告会が行われました。なお、この報告会については事前に告知がされておらず、当日の総会開始前のアナウンスと開始時の挨拶で告知されました。
 今年4月よりタカラトミーの副社長兼COO(最高執行責任者)に就任(本総会において取締役にも就任)した「ハロルド・ジョージ・メイ」氏(以下「メイ副社長」)は、低迷が続くタカラトミーの大規模な経営改革と組織改革を行う為に採用されたようです。株主総会の中で富山社長は彼について「私の右腕になって欲しい」と大きな期待を寄せており、タカラトミーの今後の行方を決めるキーパーソンとも言える人物です。
 この報告会はメイ副社長が中心となっており、タカラトミーの強み、可能性、課題、そして経営改善と業績向上の為の組織改革について、彼自身の口から語られました。

関連記事:「㈱タカラトミー 第63回定時株主総会」レポート(前編)(2014年6月27日更新)


 開始は株主総会終了から5分後の、11時45分でした。
 始めに富山社長が登壇し、タカラトミーが今年創業90周年を迎えた事と、節目となる30年毎の歴史について、以下の内容を話しました。
 ・1954(創業30周年) … 玩具の素材が、それまでの金属からプラスチックに変わった
 ・1984(創業60周年) … 「プラザ合意」によって、輸出して儲ける売り方が出来なくなった
 ・2014(創業90周年) … タカラとトミーの合併、RC2 Corporationの買収、国内基盤の強化
 また、富山社長は今年還暦を迎えるという事と、今回の報告会で報告される方針は次の30年を生きて行けるようにする為に行う事も語られました。

 富山社長が退場した後、入れ替わってメイ副社長が登壇しました。
 メイ副社長の話については、ほぼ全てがパワーポイント等を使用してスクリーンに上映しながら進められました。

 始めに有った話は「お礼」で、「株主である事」と「この会に残ってもらった事=真の株主、真のファン」である事についてお礼を述べていました。

 その後の話はメイ副社長の経歴に関する話で、彼がオランダ人である事、オランダは日本と400年以上国交が有る事から親日派である事、最初に入社した「ハイネケン」で、入社初日から日本に飛ばされた事、その後に「日本リーバ(現:ユニリーバ・ジャパン)」に入社して「リプトン」のマーケティングを担当した事、長く日本で働くには外資系企業ではいけないと思い、以後は「サンスター」、「コカコーラ」を経てタカラトミーに入社した事を話していました。

 次の話は、今回紹介される中期計画を策定し実行する理由で、これについては「タカラトミーをより強くする」「タカラトミーの秘められた力を引き出す」「変わりゆく世の中で進化できるようにする」の3点を挙げていました。

 今回の中期計画は「第4の創業」と位置づけられており、第1~第3の創業については、以下の通り紹介されました。
 ・第1の創業(1924年頃) … 職人魂、玩具は金属素材、動力あり
 ・第2の創業(1954年頃) … プラスチックによる大量開発、玩具の素材は金属からプラスチックへ
 ・第3の創業(1984年頃) … マーケティング(メディア連動)、大衆情報革命
 この中ではトランスフォーマーについても少し触れられていましたが、トランスフォーマーについてはテレビアニメ(メディア)と連動した玩具と語られていました。トランスフォーマーが生まれたのは1984年で、当時の時代の流れに合った物だったと言えます。

 その後、時代の変化のスピードが早まっている事を、ローマ法王誕生の現場の写真を例にして紹介されました。2005年(ベネディクト16世誕生時)には人々が集まっているだけだったものが、8年後の2013年(フランシスコ誕生時) には殆どの人がデジカメ、iPhone、iPadで撮影している光景に変貌していました。

 第4の創業に当たっては、「IP(キャラクター等の知的財産)」「16カテゴリー中15を国際的に展開している」「社員のパッション」が強みになるという内容を述べていました。なお、この紹介の際、スクリーンに映った多数のタカラトミー商品の中に「AM-30 ランブル」と思われる物が有りました。その他に、どの部分の映像だったかについては忘れてしまったのですが、「AD01 オプティマスプライム」が出ていた映像も有りました。

 現在、タカラトミーは大きな分岐点に差し掛かっているとされています。それは、現在の「アナログ中心」「エリア別総合」「パートナー商品率上昇」「成功踏襲型」をそのまま続けるか、それとも「次世代玩具」「グローバル化」「自社・パートナー品バランス」「リスクを取り、次世代の遊び方を築く」に切り替えるか、という2択ですが、メイ副社長は後者に切り替える方が良いとしています。

 この後、玩具のこれまでとそこから予測される未来に関する映像が上映され、その後、メイ副社長は第4の創業に際しての玩具のテーマは「アナログ+デジタル」と「パーソナル革命」となると話し、また「時代が進んでも、アナログ玩具は滅びない」とも話していました。

 改革は様々なものが計画されていました。
 10年前の半分とされている現在4,500ヶ所の玩具売場にとらわれず、「子供行く所に玩具あり」を目指してコンビニ等も活用するとしている他、素材やパーツの標準化、中国中心からベトナム中心への生産体制の移行、大容量積載の貨物船を使用した大量輸送でコストを削減し、玩具店の棚に遊び方の見本を展示してアピールする研究も行うとの事。もちろん、新しいコンテンツの開発も進めるそうです。
 ブランドの強さを説明する為、「商品」と「ブランド」ではどちらが強いか、という問いからスタートし、結論はブランドが強い事と、ブランドが強い事を活かして成功した代表例として「ハローキティ」を挙げていました。また、タカラトミー商品では「リカちゃん」がハローキティに匹敵する高い知名度を誇っていながらも、様々なグッズを販売しているハローキティと違って人形くらいしか販売していないという現状も話していました。

 新しい玩具には「驚き」「分かりやすさ」「目標」が必要としており、その例としてトランスフォーマーと「バウリンガル」を挙げていました。

 この後の話題は世界の玩具市場に関するものを映像上映を交えつつ説明しており、その中で、世界の玩具市場は人口増加に伴って年3%ずつ増加しており、これは自動車業界でも起こっていない事と話していました。また、「量を取るのか、質を取るのか」という問題については「地域毎に異なる」としており、子供向け玩具を多く必要とするアジアでは「量」を重視し、大人向け玩具が多く購入されているヨーロッパ、アメリカ、日本では「質」を重視する事が望ましいと話していました。
 その他に、その購買層をターゲットにした商品が存在しない「ホワイトスペース」と呼ばれる部分を開拓しつつも、現在有る玩具も発展させる余地が有る、としていました。玩具は子供の成長に合わせて異なる物が必要になるとしており、その中にはトランスフォーマーも「倫理的思考」という分野の玩具として入れられていました。

 「社内コミュニケーションの強化」に関連して、最後に取り上げたのは組織改革で、子会社を一本化して9つの組織体を作り、各組織体がそれぞれの役割において世界全体を担当するようにする、というものでした。これに関しては現在70を越える数のプロジェクトを立ち上げ、その内(恐らくは重要度における)上位10位については、既に実行中との事でした。


 メイ副社長の話はここで終了し、その後は富山社長も登壇して、株主との質疑応答となりました。株主からの質問には、メイ副社長が全ての質問にメモを取りつつ自ら回答していました。
 質問については一人の株主さんが複数の質問をされているのが殆どでしたが、ここではそれらを一問一答形式に纏めています。なお、回答者が記載されていないものはメイ副社長による回答です。
■プロジェクトのキー(パーソン)となるメンバーは、社内の人間なのか? それとも社外の人間なのか?
→若返りをする為に、若い人を採用したいと考えている。原則としては社内の人間を採用するが、必要が有れば社外からも採用したい。

■(この報告会の件について)今後質問する機会は設けてくれるのか?
→今回の件については公式サイトにも掲載してある。株主様からの質問はインターネットや電話で受付しているので、活用して欲しい。(富山社長)
関連資料:2014年(平成26年)3月期 決算説明会資料(タカラトミー公式サイト、pdfファイル)
      ※10ページ~31ページの部分がスクリーンに上映されました。

■タツノコプロの株式を譲渡してしまったが、コンテンツ事業については今後どのように考えているのか。
→タツノコプロはメディア側の会社。コンテンツについては(譲渡先の)日本テレビに任せつつ、タカラトミーは本業(玩具関連事業)に専念する。

■玩具は買う人と使う人が異なる場合(例:親が買って子供に与える)が有る。
→玩具の役割は「求める」「あげる」に加えて「作る」、すなわち想像力の発達を期待する等の、買いたくなる、遊びたくなる理由作りも必要と考えている。玩具は言葉の壁を超えたコミュニケーションのツールにもなる。

■エコが時代の流れだが、トミカは時代の流れに逆らっている。
→商品は長く遊べる事を基本に考えて作っている。日本はオーバーパッケージ(過剰包装)であり、これはタカラトミー製品であるか否かを問わない状態。

■トミカを購入したら、送料や手数料で、(商品自体の価格も含めて)1200円くらいかかった。Amazonは送料無料等の工夫をしている。コンビニを活用する事も考えて欲しい。 ※恐らくはタカラトミーモールの事についての事と思われます。
→送料についてはまだ工夫が追いついていないので、今後努力して行きたい。

■昔の商品について問い合わせても「分からない」と回答される事が有る。商品の管理がずさんだと思う。博物館のようなものを作ってはどうか。
→インターネットを活用する等の方法を採ってはいるが、まだ足りないと思っている。

■トミカショップに行ったら、2週間前に有った物が無くなっていたので、店員に尋ねたところ、「分かりません」と回答されただけで、調べてももらえなかった。応対が悪い。現場に専門的な人がいて指図しないとダメだと思う。
→申し訳ない。

■「アニメ作品はメディア」と割り切って、玩具とコンテンツを二分するような考え方をするのはおかしいと思う。実際、チャギントンにはタカラトミーの意向を反映したキャラクター(新幹線のハンゾー)を出している。昨年、「トレインヒーロー」が成功したが、これはインターネットでは(「ヒカリアン」のパクリという意味で)「パクリアン」と揶揄されていた。ヒカリアンは旧トミーが生み出したコンテンツ。アニメについて割り切るような考え方はあまりしない方が良いと思う。
→タカラトミーはモノ作りが基本と考えている。アニメ関係はタカラトミーで出せる力を100とすれば、日本テレビに任せると120の力が出せる。

■(前述のトミカショップ店員の件に関連して)トミカショップにはキモいオッサンが多くて、店員も対応に辟易しているのではないか? 今のタカラトミーは子供を重視しているのか、オタクを重視しているのかが見えてこない。
→私はオッサン向け市場が大好き(=理解が有る)。「ウィクロス」はオタク向け商品と考えて展開している。(管理人補足:ブランド毎に異なる対象年齢で考えてはいるようですが、世代を超えて愛されているトミカについては難しいのかもしれません。)

■アニメ作品等とコラボした「ドリームトミカ」が販売されたが、ヒットしなかった物は店頭に残ってしまっていた。また、ディズニー作品とコラボしていたにもかかわらず、ディズニー作品で最近大ヒットした「アナと雪の女王」のドリームトミカを出さなかったのは何故か。
→玩具は企画から販売まで1年半くらいかかる。「アナと雪の女王」についてはディズニーも想定外だったようだが、ヒットに押されて範囲を広げる事はあまりしたくないようだ。

■スマートフォンで使える玩具が有るが、今秋スマートフォンに代わる携帯電話が登場する予定となっている。これが主流になったら、スマートフォン対応玩具はどうするのか。
→私は予言者ではないので、何とも言えない。(管理人補足:対応した商品展開は考えてくれると思います(笑)。)

■トミカが価格改定や仕様変更に至った原因である「生産コストの高騰」は、今後も続く事が予想される。今玩具を手に取った子供が、大人になって再び同じシリーズの玩具を手に取るような事が有った時、子供の時より簡素な仕様になっていたり高い価格になっていたりする事が有るのは良くないと思う。この「現時点で既に十分予測可能なリスク」については、どのように考えているのか。
→生産コストは原材料費や人件費の他に税金等も含まれる。トミカの価格改定の件は実に数十年ぶりの事で、それまでは価格に転嫁しないよう工夫を続けてきたものの、遂にそれが出来なくなった為に価格改定に踏み切った。これについては「リスク(生産コスト高騰)を吸収しつつも、世の中に良い商品を送り出して行きたい」と考えている。





 質疑応答の終了と共に新中期経営方針報告会が終了しました。終了したのは13時18分頃で約1時間半の報告会となり、株主総会の開始から3時間以上が経過していました。

 今回の株主総会の中での報告では、タカラトミーは前期の赤字を出してしまうほどの不振からは一応脱却出来たものの、業績低迷が今なお続いている事が窺えました。そんな中でこれを改善するべく採用されたメイ副社長は「改革のキーパーソン」と言える人物で、彼が主導する中期経営方針が成功するか否かが、今後のタカラトミーの行方を左右すると言えます。メイ副社長が「新中期経営方針」を策定して発表したのは5月16日の決算説明会の時だったようですが、その日を境にしてタカラトミーの株価が現在徐々に上昇してきている事から、この経営計画の発表は機関投資家やアナリストから好感を持たれる結果となったようです。
 今回の株主総会では、富山社長が他社(バンダイ)の商品について話す事が多く有りましたが、これは過去2年間の株主総会では無かった事でした。メイ副社長という広い視野を持つ人物を右腕にした事で、富山社長も市場全体や他社の動向をよく見るようになったのかもしれませんが、それに加えてバンダイ商品への対抗策も既に講じている事が総会中に語られていた事から、バンダイを仮想敵としている事も窺えました。今回の総会の質疑応答で「孫がハマっている玩具がチャギントンからトッキュウジャーに変わった」という発言をした株主さんもいたので、バンダイを尚更意識するようになったかもしれません。
 新中期経営方針はまだ動き出したばかりですが、本記事掲載時点では「トランスフォーマー/ロストエイジ」関連商品等、注目の新商品が次々と発表されており、これらが業績に大きな影響を与える可能性が有ります。これに加えて新中期経営計画が功を奏すれば、タカラトミーの2016年3月期の決算は、今年の3月期の決算とは大きく違うものになるかもしれません。
 管理人は今回初めて、富山社長やメイ副社長に対して質問をしてみました。質問の中で「トランスフォーマー/ロストエイジ」に期待するコメントも少しさせて頂いたので、トミカファンやプラレールファンの多い総会出席者達の中において「トランスフォーマーファン株主ここにあり」という印象を与えてしまったかもしれません(苦笑)。株主総会での質問(苦情や提案を含む)は、心理的な意味で敷居が高い認識が今までは有ったのですが、実際はそれほどでもなかったので、今後もタカラトミーか否かを問わずに、株主総会で訊ける事は積極的に訊いてみたいと思います。




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 今回の株主総会のお土産。
 総会中に富山社長が話していた「今でしょふせんメモ」の他に、昨年より「共遊玩具」のコーナーで展示されている「アニア」の「フタコブラクダ」もお土産となっていました。今年が生誕30周年のトランスフォーマーに関連した玩具が貰えなかったのは残念でしたが、既に4個も持っている「コンボイ アニバーサリークリアVer.」を貰ってしまう事になるのに比べれば、この内容で良かったと思います(笑)。





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