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 8月23日より、ガンダムの生みの親・富野由悠季さんが総監督を務めるガンダムシリーズ最新作「ガンダム Gのレコンギスタ」(以下「Gレコ」)の先行上映イベントが、全国の上映館で開始されました!!
 先日のレビュー記事の前フリで書いた通り、管理人は初日である8月23日のチケット(舞台挨拶無し)を事前に取っていたのですが、たまたま休暇を取った翌日の8月24日にも舞台挨拶が行われ、しかもその舞台挨拶には富野さんも登壇すると聞き、「チケットが取れれば行きたい…」と思って調べた時にはまだ2回目(12:35~上映回)のチケットの販売が行われており、それを見事ゲット出来た事から、今回のイベントに行ける事となりました。
 そんな偶然が重なって行ける事になった今回の舞台挨拶、管理人は初日に作品を観て、更に舞台挨拶でも作品を観たので、既に2回観ています。今回のレポでは舞台挨拶の様子や感想以外に、作品の感想等についても書きます。

関連リンク:ガンダム Gのレコンギスタ(公式サイト)

※以下は作品のネタバレを含みます。


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 今回の舞台挨拶は8月23日、24日、30日、31日の4日間にわたって、東京、埼玉、神奈川、愛知、大阪で開催が予定されています。
 この日の会場となったのは、「機動戦士ガンダムUC episode7『虹の彼方に』」の舞台挨拶も開催した「新宿ピカデリー」と、奈々さんのライブでは割とお馴染みの「さいたまスーパーアリーナ」の近くに有る「MOVIXさいたま」。しかしながら、富野さんが登壇したのはこの日の新宿ピカデリーの舞台挨拶のみで、その他は声優さんやプロデューサーが登壇(予定含む)となっていました。
 この日の新宿ピカデリーの舞台挨拶は、10:00~上映回(上映終了後に舞台挨拶)と、12:35~上映回(上映開始前に舞台挨拶)で行われました。管理人がチケットを取れたのは12:35~上映回の舞台挨拶だったため、話の内容はネタバレ防止に配慮したものとなっていました。
 余談ですが、会場の外に掲出されているポスターは、Gレコと「トランスフォーマー/ロストエイジ」が隣り同士になっており、それを見た管理人はニヤニヤしていました(笑)。




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 この日の新宿ピカデリーは、「宇宙兄弟#0」の舞台挨拶や「頭文字D」の展示が有った事もあってか入場者が多く、会場全体が黒山の人だかりとなっていました。そんな関係もあってか、Gレコ関連の展示は「機動戦士ガンダムUC episode7『虹の彼方に』」の時よりも少なくなっていました。
 そんな状況でしたが、チケット販売所の近くには「公開記念原画展」として、第1話~第3話の原画が計20枚展示されていました。




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 「公開記念原画展」の左隣には宣伝パネルと、現在開催中の「サンライズフェスティバル2014」の宣伝ポスターが有りました。




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 「公開記念原画展」の右隣には、発売予定のGレコ関連ガンプラ(全て1/144HGシリーズ)の展示が有りました。
 主役モビルスーツ(以下「MS」)である「G-セルフ」は9月20日発売予定、第1話からG-セルフと共に初登場する海賊部隊の主力MS「グリモア」は10月発売予定、第3話で初登場する「モンテーロ(クリム・ニック専用機)」は11月発売予定となっています。




 上映は12:35開始となっていましたが、舞台挨拶が開始されたのは、それから約4分後の12:39頃でした。
 司会を務めたのは、フリーアナウンサーの「松澤千晶」さん。松澤さんは最近、出演したTV番組やツイッターでアニメ好きである発言やアニメに関するディープな発言を頻繁にしている事でも知られています。
 松澤さんからGレコの簡単な概要説明やイベントに関する注意の説明が有った後、富野さんと声優さんが登壇しました。登壇したのは、

 ・石井マークさん(ベルリ・ゼナム役)
 ・嶋村侑さん(アイーダ・レイハントン役)
 ・佐藤拓也さん(ルイン・リー役)
 ・富野由悠季さん(総監督)

 始めの挨拶は富野さんが一番最初でしたが、その中で、この作品は既出の各種インタビュー記事で書かれている通りで「脱ガンダム」を目指したものである事や、大人のものになりつつあるアニメを再び子供の手に取り戻す事を目指した作品である事、そしてこの作品が作れたのはファンのおかげである事を話していました。
 作品の内容について、富野さんは自身が原作・総監督を務めるとはいえ、独りよがりな作品作りになる事を避けたかったらしく、作品に使う事を嫌っていた軌道エレベーターを取り入れただけでなく、実際に軌道エレベーターの開発を行っている人たちに会った事も話していました。また、子供たち(メインターゲットは10歳~17歳としている模様)に見てもらいたいと思ってはいるものの、それでも自身に何十年ものキャリアが有る事から子供たちに受け入れてもらえるか心配しているようで、「観た上で意見を頂きたい」という事も話していました。
 この中で、現場に関する話もあり、ベルリ役の石井さんは「TVアニメのレギュラーは初めてで、経験も無いけれど、立ち向かって行く事は出来る」「初めてだから声があまり出なかったところ、富野監督に『腹から声出せ!』と叱られた」と話していました。更に松澤さんからは「富野さんには(物理的な意味での)体当たりをしたんですか?」という話も有りましたが、さすがにそれはしていないようです(笑)。
 イベント上映される第1話~第3話の見どころとして、石井さんと嶋村さんが「第2話の後半」を挙げていました。
 この舞台挨拶では、本作品の製作に関する話が富野さんの口から多く語られました。この作品は「子供や孫に伝えられる作品を」という考えの元に作られたようですが、雑誌のインタビュー記事では自身に孫ができた事についても語っており、それがこの作品の方向を決める大きなきっかけになったようです。また、それに関連して「今の大人達はてめぇの事しか考えてなくて、次の世代の事を考えていない」という内容の発言も有りました。執筆からアニメ製作開始までの話も有り、この作品が「ベルリとアイーダの冒険物語」に決まったのは執筆が終わってスタジオワークに入る時に気が付く形での事だったそうで、そこから多数のキャラクターが必要になり、仕事量は地獄のようだったのだとか。しかし、そんな状況でも仕事をこなしたアニメスタジオについて、「東京のアニメスタジオはまだまだ捨てたもんじゃない事を確認した」と話していました。

 フォトセッションが終わった後、それぞれからの挨拶や意気込みが語られた後に舞台挨拶は終了。時間は約20分と、アニメ映画の舞台挨拶としてはやや短い時間でした。




 ここからは上映された本編について。
 上映されたのは、

 ・第1話「謎のモビルスーツ」
 ・第2話「G-セルフ、起動!」
 ・第3話「モンテーロの圧力」

 の3本。オープニングやアバンは無く、またエンディングは、第3話終了時にテーマ曲に乗せて、3話分のスタッフロールを纏めて流していました。
 本作品の時代は、「機動戦士ガンダム」等の舞台である「宇宙世紀」から遥か未来の、宇宙世紀から改暦された「リギルド・センチュリー(R.C.)」の時代になって1000年を越えた、R.C.1014年が舞台となっています。世界は大きく4つの大国に分かれていますが、あらゆる動力の源である「フォトン・バッテリー」は宇宙でしか製造できず、これが「スコード教」の管理の下で南米を主な領土とする「キャピタル」に有る軌道エレベーター「キャピタル・タワー」を通じて地球上の各国に配給され、地球上の人々は生活するという世界設定になっています。
 第1話では、フォトン・バッテリーの強奪作戦を行う海賊部隊と、偶然その現場に居合わせた、キャピタル・タワーの防衛を任務とする「キャピタル・ガード」の候補生や教官との戦いが中心に描かれます。G-セルフを駆る海賊部隊の女戦士アイーダ・レイハントンは、作業用MS「レクテン」で戦いを挑むキャピタル・ガード候補生のベルリ・ゼナム達によって捕らえられ、G-セルフはキャピタルに接収されてしまいます。第2話ではG-セルフとアイーダの奪還作戦を行う海賊部隊とキャピタル・ガードの戦いを中心に描き、第3話では海賊部隊の天才パイロット「クリム・ニック」が駆る「モンテーロ」とキャピタル・ガードの戦い、そしてG-セルフを奪い返したアイーダが成り行きから一緒に乗ってしまったベルリ達と共に、クリムと一緒に海賊部隊に戻るまでが描かれています。
 本編の上映時間は、CMやオープニングが無い事もあった、約70分となっています。


 ここからは、作品に関する個人的感想。
 舞台挨拶の中で、富野さんはこの作品について「10歳~17歳をメインターゲットに考えている」という発言をしていた他、公式サイトやグッズに有る直筆メッセージの「ロボットアニメで目指すんだ!!」からは「ロボットアニメで作る事にも意義が有る」という事も窺えます。富野さんは昨今の美少女アニメが乱立している事にも異議が有るらしく、「子供をメインターゲットにしたロボットアニメ」というこの作品の方向性は、「古い時代のアニメ界のスタンダードの一つをもって、現在のアニメ界のスタンダードに一石を投じる」という狙いが有るように思えます。舞台挨拶の中で、ガンダムファンを公言する佐藤拓也さんは「昔学校から帰った後に楽しみに観てたアニメに近い感じ」という内容の発言をしていた事からも、そういう作風が出ている事が窺えます。また、富野さんはインタビュー記事で続編を作らないという話もしている一方で、この作品を広げるのは将来クリエイターとなるであろう今の子供達であるという発言も有り、(結果的にそうなったとはいえ)「機動戦士ガンダム」のように、後の時代の人達がこの作品を軸に世界観を広げる事を期待しているようにも思えます。
 このイベント上映の開始とほぼ同じ時期に発売された雑誌の中で、富野さんの「オタクだけが喜ぶ声はいらない」という発言が、声優ファンの間で物議を醸し出しています。富野さんは自身が総監督をする作品では舞台を中心に活躍する俳優さんをキャスティングする傾向が1998年の「ブレンパワード」以来強くなっているのですが、Gレコのキャストがそうでは無かった事から、この部分は富野さんの思うように行かなかった事が何となく窺えました。メインキャラクターの声を担当しているのは今回の舞台挨拶に登壇した3人の声優さん以外に寿美菜子さん、高垣彩陽さん、逢坂良太さん等、深夜アニメを中心に多くのアニメに出演している人気声優さんが多数出演していますが、富野さんは地声で演じるように指示しているとの事。富野さんの声優に関する審美眼は、「∀ガンダム」で主役を演じて以降多数のアニメに出演している「朴璐美」さん等多数の実績が有る事から、これは声優の演技に対する回答の一つとして受け止めるのが妥当なのではないかと思います。また、現場で演じる声優さんにとっても、「今まで自分達が当たり前にやってきた事が通用しない」という意味では、演技の幅を広げる為の良い勉強になるのではないかと思います。
 この作品は、全体的に「力強さ」が目立つ作風になっていると思います。富野さんは前述の直筆メッセージの中で「元気のGだ!!」という記述が有る他、佐藤拓也さんも舞台挨拶やパンフレットで「元気な現場」と話しています。作品の中の台詞も、所謂「富野節」と共に大声で叫ぶ台詞が多く、声優さんに地声の力強さを求められる作風になっている事が窺えますし、それを考えると、前述の声優さんの演技に関する話も辻褄が合います。
 この作品は前述の通り「ベルリとアイーダの冒険物語」で、「冒険に出た二人は最後に元の場所に戻ってくる」との事ですが、第1話~3話はまだ始まりの部分のようなので、今後更に壮大な物語が展開されるのではないかと思います。
 富野さんはこの作品の総監督を務めているだけでなく全話の脚本も手がけ、更に絵コンテも担当し(「斧谷稔」名義)、そしてエンディングテーマ曲「Gの閃光」の作詞も担当(「井荻麟」名義)しています。それゆえにこの作品は富野さん自身の作品に乗せたメッセージや魅せ方がダイレクトに伝わっている部分が多いのではないかと思います。また、「Gの閃光」はオープニングテーマにしても遜色を感じないアツさと耳に残りやすいフレーズが多い楽曲で、しかも歌詞に作品のタイトルが入っており、これもまた、「古き時代のスタンダードなアニメソング」を再現したように思えます。舞台挨拶で富野さんは、自身が作詞を手がけた事について「職権を乱用した」と言っていましたが(笑)、富野ガンダムのテーマ曲を富野さん自身が作詞するのは最早お約束とも言える事になっていると、個人的には思います。




 イベントが終了したのは、14時10分頃でした。
 今回の舞台挨拶への富野さんの登壇は開催2日前に急遽決定した事だったので、作品についてどこまで色々話してくれるのか気になっていたのですが、実際には3人の声優さん達よりも話している時間が長いように感じられただけでなく、また内容も結構濃かったので、富野さん目当てで舞台挨拶のチケットを購入した身としては、十分満足できる内容でした。
 GレコのTV放送はこれから開始となりますが、最初から最後までしっかり見届けようと思います。