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 今回は前フリ無しで、早速本題。
 今回のレビューは、「HG CORRECT CENTURY」の「177 ターンエーガンダム」を紹介します。7月に掲載した「ガンダムエクシアダークマター」以来、久々のガンプラレビューです(笑)。
 このキットは発売前に予約して購入しました。通常はランナーの状態で大方の塗装とスミ入れを済ませてから組み立てにかかるところを、このキットでは実験的に組み立てを先にやってみたところ、そこで満足してしまった事もあって製作をなかなか進める事が出来ずにいたのですが、9月のブルーレイボックス発売決定や10月の「ガンダム Gのレコンギスタ」放送開始決定を受けて「この機会に完成させなくては!」と思い(笑)、先月になってようやく完成しました。
 「∀ガンダム」は、本放送当時に第1話から見ていたのですが、前半のストーリーが割とゆっくり気味だった事もあってつまらなくなり、途中で視聴をやめてしまいました。それから10年が経過した2009年頃にDVDでTVシリーズ全話と劇場版2作を観たのですが、全てのガンダム作品の終着点にこの作品が有るという設定は、放送から15年が経過した今でもなお斬新だと思います。
 「∀ガンダム」をはじめとして富野由悠季さんが総監督を務めるガンダム作品は、モビルスーツが現実に存在したらこんな動きをしたり使われ方をされるのではないかというシーンがよく有ります。個人的には、それらはガンダムの生みの親だからこそ出来るのだろうと思っており好きな部分の一つでもあるのですが、「ガンダム Gのレコンギスタ」でもそういうシーンが有る事を密かに期待しています(笑)。

関連記事:
 ・HG UNIVERSAL CENTURY「169 V2ガンダム」レビュー(2014年2月9日更新)
 ・HG AFTER WAR「163 ガンダムダブルエックス」レビュー(2013年11月5日更新)


※写真をクリックすると、元のサイズで表示されます。
※写真のキットは、素組みした物に細かい塗装とスミ入れを施したものです。実際の商品とは仕様が異なります。


■作品概要 ~∀ガンダムとは~
 「∀(ターンエー)ガンダム」は、1999年4月~2000年4月にフジテレビ系列で全50話が放送されたテレビアニメです。
 ガンダムシリーズの生みの親である「富野由悠季(とみの・よしゆき)」さんが、「機動戦士Vガンダム」以来約6年ぶりに総監督を務めた作品で、地球上の文明が滅ぼされた後の「正暦(コレクト・センチュリー)」2345年の世界を舞台に、月の民「ムーンレィス」による地球帰還作戦の開始と、それに伴う地球人とムーンレィスの対立を描いています。本作のタイトル等に使用されている「∀」は「全て」を意味する記号である事から、全てのガンダムシリーズの作品を包括する設定も盛り込まれています。
 「ターンエーガンダム(以下「∀ガンダム」)は、本作の主役モビルスーツ(以下「MS」)で、パイロットは主人公の「ロラン・セアック」等、複数のキャラクターが搭乗しました。地球帰還作戦の開始と時を同じくしてイングレッサ領内で「ホワイトドール」として祀られていた像が正体を現し、以後はイングレッサ・ミリシャの戦力として加えられますが、ストーリーが進むにつれて、その本来持っていた能力や、「黒歴史」の時代に地球の文明を滅ぼした事実が明らかになって行きます。

■キット概要
 このキットは2014年4月12日頃にメーカー希望小売価格1,400円(税別)でバンダイより発売されました。
 「∀ガンダム」のMSをプラキット化した「HG CORRECT CENTURY(ハイグレード コレクトセンチュリー)」の第1弾となるキットで、∀ガンダムを1/144スケールで立体化しています。ガンプラの定番である全身フル可動とプロポーションの両立を図っている他に、∀ガンダムが劇中で使用した様々な武器も付属しています。




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 パッケージ表面。パッケージは厚紙製のボックスに厚紙製のフタをする、ガンプラのパッケージでは定番の仕様です。
 ボックスのサイズは縦約19cm×横約30cm×高さ約7cmで、同じ価格帯の「HG」シリーズのパッケージとしては標準的なサイズです。イラストはフル装備状態の∀ガンダムが描かれており、その後ろには「カプル」や「ボルジャーノン」の他に、巨大な月とイングレッサ領内の市街地と思われる街が描かれています。




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 パッケージ側面。
 作品や機体の解説の他に、付属している武器等の紹介文も有ります。




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 ガンプラの説明書には、パッケージ側面よりも詳しい機体解説やキャラクター紹介が掲載されているのが定番ですが、それは本キットの説明書でも同様となっています。
 ∀ガンダムの機体や装備を解説したページが有る他に、アクションポーズや可動範囲、カラーリングガイドを紹介したページには、劇中での∀ガンダムの活躍について書かれた文章が掲載されていますが、その内容は第2話「成人式」を中心にしたものになっています。




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 本キットには取扱説明書の他に、プレミアムバンダイ限定で販売された「HGCC 1/144 ターンエーガンダム用 拡張エフェクトユニット"月光蝶"」の宣伝チラシも入っています。
 この拡張エフェクトユニットの1次受注の受付は本キットの発売前に既に行われており、1次受注で予約した人には本キット発売の数日後に、この拡張エフェクトユニットが届くスケジュールとなっていました。




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 本キットに付属しているシール。
 シールのナンバーは15番まで有ります。シールは∀ガンダムの本体各部のディテールやビームライフルに貼付するものが中心になっています。
 本記事の写真のキットはシールを一切使用しておらず、全て塗装で仕上げています。




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 ∀ガンダム本体前面。全高は約15cmあります。
 デザインは、この作品がガンダム作品初参加となった工業デザイナーの「シド・ミード」氏が手がけており、トリコロールカラーや2つのメインカメラといったガンダムの定番である部分を守りつつも、曲線や曲面を主体としたデザイン、そして「∀」の文字を思わせる巨大なヒゲ等、それまでのガンダムには無かった特徴的なデザインが多数有り、「ガンダム」の名を冠していながらも独特のデザインとなっています。




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 ∀ガンダム本体後ろ。
 機能の関係上バックパックが存在せず、この点もこのMS特有のデザインとなっています。両肩に有るビームサーベルのグリップのホルダーは、パッケージや説明書の写真では水平になっているのですが、管理人の趣味で少し下に下げており、これによって前からは見えづらくなっています。
 なお、本記事の写真のキットは、色が足りない部分を「ガンダムマーカー」で足すと共に、スミ入れを行っています。また、ゲート痕にも成型色に近い色で塗装を施しています。カラーレシピは以下の通りです。
※塗装
 ・ホワイト … ガンダムホワイト
 ・レッド … ガンダムレッド
 ・ブルー … ガンダムブルー(約70%)+ガンダムホワイト(約30%)
 ・イエロー … ガンダムイエロー
 ・グレー … ガンダムグレー
 ・ブラック … ファントムグレー
 ・額中央のディテール … ガンダムアイグリーン
 ・コア・ファイターのコックピット部分 … 三国伝ゴールド

※スミ入れ
 ・ホワイト部分(モールド部分) … スミ入れ用<グレー>
 ・ホワイト部分(モールドではない部分) … スミ入れペン SHARP
 ・レッド部分、イエロー部分 … スミ入れ用<ブラウン>
 ・上記の部分以外、異なる色のパーツの境界 … スミ入れ用<ブラック>





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 バストアップ。
 頭部デザインは非常に特徴的で、前述のヒゲの他に、後頭部にはチョンマゲを思わせるような物が付いています。胸部は後述する武装を内蔵している関係上フラットなデザインとなっており、この点もこのMSの特徴の一つです。




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 ウイングガンダムゼロ本体の可動は、首、肩、二の腕、肘、手首、腰、股関節、膝、スネ、足首が可動します。ガンプラとしては定番の可動範囲ですが、設定画等のアニメ資料を基に作り起こした関係からか、完全新規で作られたにもかかわらず、各関節の可動範囲は近年のガンプラに比べるとやや狭くなっています。
 このキットには他のHGシリーズのガンプラには無いスネの可動機構が有り、劇中での跳躍感の有るアクションポーズの再現に一役買っています。




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 フロントスカートの中央部分にはコックピットが有り、キャノピーはクリアーイエローで再現されています。また、中で操縦しているパイロットも造られています。
 パイロットはホワイト一色で成型されています。写真ではロラン・セアックのパイロットスーツのイメージで少し塗装してみましたが、劇中ではロラン以外のキャラクターも搭乗している為、好きなパイロットを再現したカラーリングで塗装しても良いと思います。




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 ガンプラのポリパーツはグレー成型のものを使用しているキットが殆どですが、本キットのポリパーツにはホワイト成型のものが使用されています。しかしながら、殆どのポリパーツは隠れてしまっている事が多く、完成済の状態ではこれが使用されている事が分かりづらくなっています。




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 両肩に有るビームサーベルのグリップのホルダーは、設定通りに上に向ける事が出来ます。
 可動部分にはポリパーツが使用されておらず、動かして行く毎に可動部分がヘタる恐れが有る為、注意が必要です。




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 武器とその関係パーツ一式。
 シールド、ビームサーベルの刃、ビームライフルの他に、ビームライフルの最大出力モードを再現する為の差し替え用パーツ、胸部マルチパーパスサイロと腹部ビームキャノンを展開した差し替え用胴体パーツ、ナノマシン散布用ベーンを展開した差し替え用背部パーツの他に、武器持ち手も付属しています。武器持ち手は本来の用途以外に、握り拳の手首パーツとしても使います。




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 差し替え用胴体パーツを使用した状態。
 胸部マルチパーパスサイロは戦術に応じて武装の換装が可能という設定が有りますが、劇中では発掘されたMSと言う事もあって武器としての運用はされておらず、牛の運搬や核弾頭の秘匿に使用されていました。
 腹部ビームキャノンにも換装が可能という設定が有ります。劇中では、この武装は終盤で∀ガンダムがギンガナム艦隊に鹵獲された際に解析・整備された事で使用可能になっており、第49話で「ジョゼフ・ヨット」が搭乗した際に初めて使用されました。なお、このビームキャノンから発射されたビームはIフィールドを貫通出来る力が有る事が、劇中の描写から分かります。




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 差し替え用背部パーツを使用した状態。
 設定では、この部分からナノマシンを散布し、それをIフィールドの力場に乗せて散布する事で、∀ガンダムの最強兵器「月光蝶」となります。なおこのパーツは、前述の「HGCC 1/144 ターンエーガンダム用 拡張エフェクトユニット"月光蝶"」のエフェクトパーツを取り付ける際にも使用します。




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 ビームサーベルを使用したアクションポーズの一例。
 ビームサーベルは肩からグリップを外して刃を取り付け、それを武器持ち手に持たせます。武器持ち手とグリップにはツメと穴が有り、グリップをしっかりと持たせる事が出来ます。
 本キットに付属している刃は「HGBF009 スタービルドストライクガンダム プラフスキーウイング」等に付属しているものと同じですが、劇中でのビームサーベルの刃は細身で周りからビームが飛び散っているかのような描写がされており、本キットの刃とはやや異なるものになっています。




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 ビームライフルとシールドを装備した状態。この状態が∀ガンダムの基本的な状態です。
 ビームライフルは武器持ち手に持たせ、シールドは前腕に取り付ける事で、この状態になります。なお、左右の装備を交換する事も可能です。
 シールドはジョイント部分の一部を除く殆どが成型色で再現されています。一方でビームライフルの成型色はホワイト一色のみとなっている為、設定通りのカラーリングにする為には塗装かシール貼付が必要となります。




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 ビームライフルのグリップを収納し、銃床部分を差し替えれば、前期オープニングアニメーションでもお馴染みの最大出力モードにする事が出来ます、
 右側に有る回転式グリップの保持には武器持ち手を使用しますが、武器持ち手の指パーツは差し替えをし易くする関係で保持力が弱い為、この状態で持たせるのは非常に難しくなっています。




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 ビームライフルシールドは、専用のジョイントを使用する事で、背部にマウント出来ます。
 ジョイントパーツはビームサーベルのグリップのホルダーと一体になっており、ホルダーを差し替える事でマウントが可能になります。




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 このキットには、コア・ファイターが付属しています。
 コア・ファイターは∀ガンダムのコックピット周辺が分離・変形して出来る戦闘機で、劇中では∀ガンダムが「ターンX」との戦闘中に大ダメージを受けて機能不全に陥った際に、ロランが脱出装置として使用していました。
 底面には「バンダイプラモデル アクションベース2」に対応した穴が有り、飛行シーンを簡単に再現出来ます。




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 ∀ガンダム本体とコア・ファイター。
 コア・ファイターのスケールは∀ガンダム本体と同じ1/144で、サイズも∀ガンダム本体のフロントスカートと同じサイズですが、成型色は∀ガンダム本体のフロントスカートのように色分けされていない為、設定通りのカラーリングにするには塗装が必要となります。




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 ここからは、アクションポーズの一例を紹介。
 1枚目は、オープニングアニメーションの最後のカットを再現したアクションポーズ。映像ではシールドを左肩の後ろを軸にして斜めにマウントしていますが、このキットでは完全再現が出来ません。また、写真でのビームライフルの持たせ方は説明書には記載されていない持たせ方の為、この持たせ方をすると手首パーツに若干の隙間が生じます。
 このキットもコア・ファイターと同様に「バンダイプラモデル アクションベース2」に対応しており、劇中での跳躍シーンや飛行シーンを簡単に再現出来るようになっています。




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 2枚目は、取扱説明書の中でも紹介されている、第21話「ディアナ奮戦」の中での洗濯物を干す際のポーズを再現。劇中では両手の指にヒモを付け、そのヒモに洗濯物を干していました。なお余談ですが、このシーンの少し前には∀ガンダムが川の横に掘った穴に川の水を溜め、そこに手を突っ込んで回転させ洗濯機のように洗濯するシーンも有りました。
 このキットは肩アーマーが殆ど動かない為、腕を正面に突き出す事が出来ません。しかしながら、肩アーマー後部を胴体から取り外すと残りの肩アーマーが動かせるようになる為、このポーズを取る際には肩アーマー後部を取り外してから行う必要が有ります。




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 「HG AFTER WAR」の「163 ガンダムダブルエックス」、そして「HG UNIVERSAL CENTURY」の「169 V2ガンダム」と。
 「∀ガンダム」は、「機動新世紀ガンダムX」から約3年ぶりに製作されたTVシリーズのガンダム作品で、富野由悠季さんが総監督を務めるガンダム作品としては「機動戦士Vガンダム」以来、約6年ぶりの作品となりました。「∀ガンダム」の劇中で登場する兵器は「宇宙世紀」の世界で登場した物の延長線上に有る物が多いですが、「黒歴史」の中には宇宙世紀以外のガンダム作品も含まれている為、宇宙世紀の世界を舞台としない「機動新世紀ガンダムX」も、黒歴史の中に含まれます。
 ガンダムダブルエックスの頭頂高は2000年代以降のガンダムシリーズでもスタンダードな17m級で、V2ガンダムの頭頂高は宇宙世紀0120年代以降の世界を舞台にしたガンダムシリーズではスタンダードな15m級となっています。その一方で∀ガンダムの頭頂高は約21mで、宇宙世紀0080年代~0100年代のMSに近いサイズとなっています。




 以上、HG CORRECT CENTURY版ターンエーガンダムでした。

 HGオールガンダムプロジェクトは共通フォーマットによる互換性も追求している事を特長の一つとしていますが、このキットは他の主役ガンダムには無い独特のデザインやサイズを有している事から本キット独特の構造のパーツが多数採用されており、他のHGオールガンダムプロジェクトのキットとの互換性は皆無に等しく、また可動範囲も他のHGオールガンダムプロジェクトのキットよりも狭くなっています。しかしながら、造形は十分な出来になっていると思いますし、パーツの色分けや付属品の数、特徴的な各部の構造の再現についても、価格を考慮すれば十分な出来になっていると思います。
 単体でも多数の付属品のおかげで十分遊べるようになっている本キットですが、プレミアムバンダイで限定販売された「拡張エフェクトユニット"月光蝶"」が有れば、このキットの真価を十二分に引き出す事が出来ます。