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 前回の「前編」に続く、今回のバンダイナムコホールディングス株主総会レポは、株主総会後半の内容と、会場内の展示物を紹介します。
 上の画像は会場内の各所に掲出されていた、会場案内図です。株主は青い矢印の「ご入場口」から入場してロビー入口の「受付」で受付を済ませた後にロビーの奥に有る「株主総会会場」に入る、という順路でした。ロビーが主要IPの展示スペースとなっているのは昨年の株主総会と同じでしたが、今回は昨年行っていた特撮ヒーローが登場するステージイベントやゲーム機の試遊コーナーは無く、展示と映像上映のみとなっていました。これは、株主数の増加により展示会場が混乱するのを極力避けるための変更と思われます。

関連記事:「㈱バンダイナムコホールディングス 第10回定時株主総会」レポート(前編)(2015年6月23日更新)


4.議案審議
 事業報告に関する質疑応答の後は、議案の審議が行われました。議案は5つ有りましたが、今回は「全ての議案の発表→全ての議案に関する質疑応答→全ての議案について拍手での採決」の順で行われる形となっており、昨年の議案審議よりも迅速に進める為の工夫がなされていました。
 なお、各議案の隣に書かれているページ数は、株主総会招集通知に記載されているページです。

第1号議案:剰余金の処分の件(4ページ)
 所謂「配当金の金額の決定」。今回の期末配当は、安定配当12円に業績連動配当28円と特別配当10円を加えた50円とする議案が出されていました。

第2号議案:定款一部変更の件(5ページ~6ページ)
 「定款」は、「会社の憲法」とも言われます。その為、変更には原則として株主総会の決議が必要です。
 今回出された議案は、本店所在地の変更に関するもの(品川区から港区に変更)、株主総会の招集権者に議長に関する条項を追加するもの、取締役会の招集権者及び議長に関する条項に附則を追加するものの、計3点でした。

第3号議案:取締役10名選任の件
 石川社長をはじめとする9名の取締役は、本総会終了の時をもって全員が任期満了となります。その為、新しい取締役を選任します。石川社長や上野副社長等のように継続する候補もいる一方で、今回は候補とならずに退任する取締役、そして今回選任されれば新任の取締役となる候補もいました。退任する取締役は1名の一方で新任の取締役候補は2人いた為、実質1人の増員となります。

第4号議案:取締役の報酬額改定の件
 バンダイナムコホールディングスの取締役は、平成18年度の第1回定時株主総会において、1事業年度につき年額7億円以内の報酬が貰えるようになっていましたが、持続的な業績の伸長企業規模の拡大を鑑みて、この報酬額を8.5億円以内に改定する、というものです。

第5号議案:取締役に対するストックオプション報酬額および内容決定の件
 「ストックオプション」とは、自社の株を取締役や従業員が保有する制度です。自社株の株価が上がれば当然利益が増える為、多くの企業では主に取締役に対して認められいます。
 内容は全体的に既存の内容を増額する形となっていますが、条件として「業績達成基準」が設定されています。

 これらの議案の際に出された質疑応答は以下の通り。
■業績が良いのだから、株主への還元策として配当金の引き上げや株主優待の拡充、(1株当たりの利益を引き上げる)自社株買い、株主総会の中でIPに関連したライブをやってはどうか。
→自社株買いは検討している。(石川社長)
→今年から株主優待に「バナコイン」を追加した。株主優待の拡充は今後も考えていく。(浅古取締役)

■役員の報酬改定に反対。従業員は「三度の定年」によって、55歳と60歳を過ぎるとその度に給料が減り、65歳に本当の定年を迎えると聞いている。増額分は従業員への給与に回すべき。
→従業員には利益分配金という報酬を出している。55歳と60歳の給与改定は、評価を考慮した上で決定している。(石川社長)

■ナンジャタウンによく行っている。アミューズメント事業の新しい担当者に、今後の具体的な方針を述べてもらいたい。
→今後はバリューチェーン(価値連鎖)を持った開発を進めたい。(大下取締役)
→リアルビジネスの面を発展させたい。(萩原取締役)

■今後、M&A(企業買収)を行う可能性は有るのか。
→考えているが、M&Aありきでは考えていない。当社の事業に合う企業や業績を出せる企業が有れば、行おうと考えている。(石川社長)

■取締役の定年の内規は有るのか。
→代表取締役が65歳、役付きの取締役が63歳、それ以外の取締役は60歳と定めている。社外取締役の定年に関する内規は無い。(石川社長)

■幕張で行われた「東京ゲームショウ」の会場で、英語の説明が出来ていなかった。
→現在、社員に英語教育を行っている。(石川社長)

■取締役を1名増員する意味を教えて欲しい。
→事業区分の変更の関係によるもの。新しい取締役はバンダイビジュアルの社長。(石川社長)

■本総会終結後、石川社長が社長を退任して、田口(三昭)さんが新しい社長になるというが、問題は無いのか。
→田口さんはバランス感覚に優れているし、社員の力を引き出せる。それと若干の世代交代も行える。(石川社長)

 なお、提案されていた議案は全て、承認可決されました。
 第4号議案については、増額に反対する意見を出した株主さんから「報酬額限度を5.5億円に減額」とする議案修正動議が出されましたが、本来の議案が承認可決された為、自動的に否決となりました。

5.閉会
 取締役を退任する「萩原 仁(はぎわら・ひとし)」さんの紹介が行われた後、本総会は閉会しました。
 閉会したのは12時1分頃で、約2時間の総会でした。




■会場内展示物
 株主総会の会場となった「飛天」の手前に有るロビーには、バンダイナムコグループの展示が行われており、さながら玩具イベントの会場のようになっていました。
 この展示は総会開始前と総会終了後のどちらでも見れるようになっていました。総会終了後には取締役もスタッフの案内の下で展示を見に来ており、株主が取締役に直接質問や意見を言えるようになっていました。




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 6月13日より劇場版の公開も行われた人気アニメ「ラブライブ!」の展示コーナー。
 上映館に設置されているものと同じスタンディが設置されていた他、作品の概要を紹介する映像の上映や、ブルーレイの展示も行われていました。またライブグッズの展示も行われていましたが、そちらは写真撮影が禁止されていました。




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 ラブライブの展示コーナーの隣には、来年2月に生誕15周年となる「太鼓の達人」の15周年記念展示コーナーが有りました。
 昨年の株主総会では笙体が設置されており試遊が可能になっていましたが、今回は設置されていませんでした。




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 太鼓の達人の展示コーナーの隣には、今年が生誕10周年となる「アイドルマスター」の記念展示スペースが有りました。
 ライブ写真や年表、キャラクターのスタンディが展示されていた他、関連グッズをシリーズ毎に展示したショーケースも設置されていました。




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 アイドルマスターの展示コーナーの隣には、今年が生誕35周年となるガンプラの記念展示スペースが有りました。
 このスペースだけはパーテーションが設置されており、入らなければ中の様子が見えないようになっていました。




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 入口には、静岡県に有るバンダイホビーセンター(以下「BHC」)のスタッフが着用している制服が展示されていました。
 用途に応じて異なる複数の制服が展示されていた他に、役職や資格によって異なる階級章も展示されていました。




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 入口を抜けた先に有る、壁に「01」と書かれた場所には、「RX-78-2 ガンダム」の歴代のガンプラが展示されていました。
 この中には、今年7月に発売が予定されている、「新生-REVIVE-」版のキットの試作品も展示されていました。




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 「01」の隣に有る「02」の展示スペースでは、ガンプラの開発過程が関連資料と共に紹介されていました。
 展示は2つ有り、1つは1980年に発売された「ベストメカコレクション」の「No.4 ガンダム」でした。




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 開発過程が紹介されていたもう一つのキットは、2009年に発売された「HG 1/144 RX-78-2 ガンダム Ver.G30th」でした。
 1980年時点のガンプラ開発は手書きの設計図、職人の技術力が商品の質に大きな影響を与える金型等、全てがアナログな手法となっていました。しかし2009年時点では、コンピュータを利用した三次元設計システム(3D-CAD)や3Dプリンタを活用する事で、金型の修正等のロスが減少しただけでなく、ディテール、可動部分の干渉、ギミックのチェックまで行えるようになったとの事です。




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 「02」とその先に有る「04」の向かいには、BHCやガンプラの開発過程が紹介されたパネルが掲出されていました。




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 「04」の展示スペースでは、ガンプラの製造工程を紹介する映像が流れているディスプレイと、BHCの模型が展示されていました。
 なお、「03」のスペースは壁面に機械と思われるデザインが描かれていただけで、展示物は有りませんでした。




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 ガンプラの展示スペースの隣には、バンダイナムコグループのCSR(企業の社会的責任)活動を紹介するスペースが有りました。
 社会貢献活動だけでなく、安心・安全な商品開発、環境負荷の少ない素材を使用した商品や容器包装等について紹介されていました。




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 株主総会が行われた「飛天」では、12時15分より「ラブライブ!」のミュージックビデオ映像上映会が行われました。
 上映時間は約40分で、テレビアニメ第1期と第2期のオープニング映像とエンディング映像が上映された他、劇中で歌われた楽曲がライブシーンの映像にその他の映像を一部絡めつつ上映されました。上映終了後は全ての株主が出口に案内されており、展示の観覧は出来なくなっていました。




 以上、バンダイナムコホールディングス第10回定時株主総会レポでした。

 この1年間は「妖怪ウォッチ」「ラブライブ!」「機動戦士ガンダムシリーズ」の関連売上が好調だった事もあって、トータルでの売上高や利益等は前年度よりも上昇しており、更に中期計画が達成出来た事もあって、株主への期末配当は前年の2倍以上と、大幅な増額となりました。しかし一方で、前年度においても課題となっていた「国内のアミューズメント事業の不振」と「欧米でのトイホビー事業の不振」は今だに解決されておらず、今後の対処すべき課題となっています。日本やアジアでは事業を拡大しつつ、欧米では事業の建て直しを図るとの事で、今後これらの課題や目標が解決・達成されれば、石川社長が目標として掲げた「ヒットするIPが無い場合でも売上高5000億円、営業利益500億円を安定的に達成」に近付けるようになるのではないかと思います。
 「前編」でも書いた通り、バンダイナムコホールディングスの2015年3月末時点の株主数は約6万人となっており、前年の約1.7倍、一昨年(42,800名)の1.4倍の株主数となりました。これはIPのヒットにより、業績や株価の上昇を期待して買った個人投資家が多くいたものと思われます。前年の株主総会で石川社長は「個人の株主を増やさなければならない」と話しており、それについては一応達成された事になると思いますが、その分株主総会の出席者も増えていました。今回の総会での質問は特定のゲームに対する苦情とも取れるものが昨年よりも多いと感じたのですが、個人的には、このような場では苦情だけでなく今後の商品やサービスの質を向上させる為の前向きな提案も抱き合わせですべきだと思いますし、1人1問制限でなおかつ限られた人しか質問出来ないという貴重な機会であるからこそ、短時間で内容の濃い質問や意見が出来るように予め考えた方が良いのではないか、と思いました。




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 今回の株主総会のお土産。
 今回のお土産は、「THANKS 10th ANNIVERSARY」の文字が書かれた箱に入っていました。中身は会場で展示もされていた「ベストメカコレクション No.4 ガンダム」と、太鼓の達人の色鉛筆と自由帳でした。ガンダムのキットはパッケージにガンプラ生誕35周年記念のシールが貼られているという一般販売版には無い仕様になっており、太鼓の達人のグッズは2つとも非売品との事で、どちらも珍しいグッズです。
 ガンダムのキットについては、近日中にレビュー記事で紹介しようと思います。