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 今回も前回より続くタカラトミーの株主総会レポート、パート3です。最終回となる今回は、「新中期経営計画報告会」の様子を紹介します。
 上の写真は、株主総会終了後に開始された「株主様向け特別販売コーナー」です。このコーナーは、「パート2」の冒頭で紹介した「お土産配布所」と入れ替わる形で設置されました。
 ここで販売されていた物は「タカラトミー製品の福袋」とも言えるもので、トミカ等が入っている「男の子セット」と、リカちゃん等が入っている「女の子セット」が販売されていました。どちらのセットも価格は3,000円(税込)でしたが、定価から40%OFFの価格での販売との事だったので、中身は総額5,000円相当の商品が入っていたようです。

関連記事:
 ・「㈱タカラトミー 第64回定時株主総会」レポート(パート2)(2015年6月26日更新)
 ・「㈱タカラトミー 第64回定時株主総会」レポート(パート1)(2015年6月25日更新)


 新中期経営計画報告会は、ライブ終了から間をおかずにそのまま続ける形で開始されました。メイ副社長は株主総会を第1部、ライブを第2部、そしてこの新中期経営計画報告会を第3部とする、全3部構成としていたようです。

 新中期経営計画報告会は、昨年の「新中期経営方針報告会」と同様に、パワーポイントやムービーをスクリーンに上映しつつ、メイ副社長がそれを説明する形で進められました。
 なお、メイ副社長が説明に使用した資料は、2015年3月期決算説明会の資料の10ページ以降とほぼ同じ物を使用していました。しかしながら内容の都合上一部のページは使用されておらず、それと共に決算説明会資料には無いページの追加が有りました。

 ・2015年(平成27年)3月期 決算説明会資料(タカラトミー公式サイト、pdfファイル)

 今回の説明は、「あとは、実行あるのみ」というタイトルを最初に付けており、その後にそのタイトルの意味を、2014年4月~2015年3月の業績等と絡めつつ報告しました。
 昨年は「実行」に向けた色んな準備をしたとの事で、主なものとして、昨年の新中期経営方針報告会で発表した「意識改革、商品改革、ビジネスの構造改革の、3つの改革」の他に、「人事刷新により幹部の平均年齢を5歳下げた」事や、昨年の新中期経営方針報告会で発表した「72の改革」の内のトップ10を実行した事を挙げていました。
 メイ副社長は、これらの改革の実行により「間違いなく変わった」事として、「社員のやる気が上がった」事と、「おもちゃ4.0(アナログとデジタルを融合した玩具)は間違いなく進んでいる」と述べており、おもちゃ4.0の一例として、株主総会開始前に紹介された「OHaNAS(オハナス)」を挙げていました。その他にも改革の成果として、子会社の統合による組織のフラット化が進んだ事や、ポーランドとロシアに拠点を設けると共に南米に進出した事で海外での売上が全体の40%から42%に上がった事でグローバル化が進んだと話していました。

 前述の通り改革は進められたにもかかわらず、1年間の目標は達成出来ませんでした。その主な理由に、「消費増税と『妖怪ウォッチ』の大ヒットによる大きな逆風」「「ヨーロッパの不調」「急激な為替変化」「不祥事」の4点を挙げていました。
 一方で、「売上高が4四半期連続で前年を上回った」事や、「トップを7人新しくした」事、そして為替ニュートラル(大きな為替変動が無かったと仮定する事)では目標を上回る50.4億円の売上となる事から「会社の稼ぐ力は向上している」事、そしてコンプライアンスの日の設定や内部監査機関の発足・強化、社員の研修による「不祥事防止」で、「進化は確実に進んでいる」と説明していましました。

 この後にビデオが上映されましたが、内容はここまでの内容の他に、「(第4の創業から)最初の3年で改革する」という事や、「株価が6割アップした」事も話されていました。

 ビデオ上映後、メイ副社長から2015年の展望についての話が有りました。
 2015年の展望は「暗い森の出口が見え始めている」というタイトルになっていました。この中で「改革は30年続く」という話が有りましたが、恐らくは主要な改革を3年で達成し、それ以外の改革や時代の変化に対応した改革を残りの27年で達成しようとしているものと思われます。
 また「次世代の定番(新商品)」も計画しているとの事でした。

 この後に上映された2つ目のビデオの中では、2015年の拡大プランが発表されました。
 定番商品の「トミカ」「プラレール」「リカちゃん」「こえだちゃん」「ベビー・プリスクール(向け商品)」を拡大する他に、「アニア」と「オムニボット」は新定番商品にするとの事でした。
 また、2020年の東京オリンピック開催までの5年間に、タカラトミーのブランドの多くが「生誕○○周年」という節目の年を迎えるとの事で、それに関連した企画を行う事を窺わせていました。この中で、トランスフォーマーは2019年に生誕35周年を迎える事が映されており、映像には「AD31 アーマーナイトオプティマスプライム」の写真が使用されていました。
 グループ会社の戦略としては、「タカラトミーアーツ」はグループの先兵と位置づけられており「ポケモン」と「プリパラ」を主力に、「トミーテック」は鉄道模型事業に注力、キディランドはキャラクター特化型店舗を強化するとの事でした。

 ビデオ終了後にはメイ副社長から海外の定番商品に関する話が少し有った後、3本目のビデオが上映されました。
 3本目のビデオは海外戦略に関するものでした。海外の定番商品は「ジョンディア」「ザ・ファーストイヤーズ」「ラマーズ」の3つで、この3つの売上高の合計は285億円になり、日本の定番商品を遥かに上回るとの事です。また、ディズニー・ピクサー作品の関連商品販売や、好調な「ポケモン」、そしてアメリカで新作アニメの放送が行われる「ソニック」の関連商品も販売されるとの事でした。

 この後の話は、「2015年の2大BIG BET」と題して、展示も行われていた「ベイブレードバースト」と、株主総会でも話題に上げられた「スナックワールド」の話が有りました。ベイブレードバーストは、商品に内蔵されている「バーストギミック」の他に、「勝敗記録をクラウド型データベースに記録し、それを基にランキングを出す」事や、これまでベイブレードを販売しなかった国・地域でも販売する「市場拡大」、そして「公式大会」を行う事を話していました。またスナックワールドについては、NFCチップを使用した商品の発売を予定しているとの事でした。
 この他に、ディズニーの新作映画2作品のライセンスを獲得予定である事についても触れていました。これらが計画通りに進めば、為替ニュートラルでの営業利益の試算は、2015年度の目標(40億円)を大きく上回る57億円になるとの事です。
 メイ副社長は「INPUT」「PROCESS」の2段階は既に準備を完了しており、あとは「OUTPUT」で売上を上げるのみである事から、「あとは、実行あるのみ」として、この説明を締め括りました。
 終了したのは13時23分頃で、約45分の説明でした。


 この後、富山社長と鴻巣取締役が登場し、株主との質疑応答になりました。
 質問については一人の株主さんが複数の質問をされているのが殆どでしたが、ここではそれらを一問一答形式に纏めています。
■ヨーロッパの在庫期間の短縮は今後も続くのか。
→一時的な問題と考えている。(メイ副社長)
→ヨーロッパの在庫の問題は、お客様側の事情も有る。(富山社長)

■ブランド戦略の責任判断はどこでしているのか。
→ブランド担当は鴻巣さんの直属。ブランド戦略は積極的になった。(富山社長)

■ベイブレードやスナックワールドは、「コロコロコミック」での展開も予定されているが、コロコロコミックでは妖怪ウォッチもやっており、それに勝たなければならない。対策は有るのか。
→コロコロコミックは、子供向け雑誌でダントツの売上を誇っている。現在、(コロコロコミック編集部と)来年の企画まで含めて話し合っている。かつてコロコロコミックで「ミニ四駆」がブームになっていた時期があったが、それはポケモンによって終わった。また、前々回の「次世代ワールドホビーフェア」でポケモンの商品を投入したら売れた。子供達は常に新しいものを探しているのではないかと思う。今は妖怪ウォッチがブームだが、妖怪ウォッチのトレンドを超えるものにしたい。(鴻巣取締役)

■先頃、ベイブレードがハリウッド映画化される事が発表された。公開の際にはベイブレードバーストとは異なる新商品を展開するのか。また、タカラトミーの商品で既にハリウッド映画化されたものにはトランスフォーマーが有るが、トランスフォーマーのハリウッド映画はこれまで4作ともヒットした事で主要なシリーズの一つとなり、継続的に商品展開を続けているが、ベイブレードも映画がヒットした場合にはトランスフォーマーと同じく商品を継続的に展開するようにするのか。
→ベイブレードのハリウッド映画化については、タカラトミーとしてはまだ発表していない。しかし、グローバル化を進める機会にはなる。グローバル化を進める事に繋がる話については、アンテナを常に立てておきたい。(メイ副社長)
→私は反対している。アメリカでは「ハスブロ(HASBRO)」がベイブレードを発売しているが、シリーズが進んで行ったら「サムライベイブレード」という、訳が分からないものが生まれた。(富山社長)
→テレビアニメや(ハリウッドではない)映画でやるのもアリ(売れる)だと思う。「WIXOSS」のテレビアニメは1期を放送した後に間を置いてから2期を放送した。今はそういうやり方でも良いのではないかと思う。(鴻巣取締役)
→現状では、3人とも異なる意見を持っている。(富山社長)

■「ブキガミ」について。売上不振により展開を終了したようだが、終了を告知する貼り紙がゲーム機に貼られずに終了していた。子供達に良くないと思う。
→ブキガミは、社内で試してもらってたところ良い感想が多かったのだが、市場に出したところ、収益は良くなかった。現在台数を縮小するよう進めているのだが、告知が徹底してなかった。申し訳ない。(鴻巣取締役)

■ベイブレードバーストについて。前に展開していた「メタルファイト ベイブレード」は、国内ではアニメが打ち切られてしまった。今回はメディアミックスはちゃんと(打ち切られる事無く)出来るのか。
→現在小学館(コロコロコミックの発行元)と、複数年の期間を設定して展開する事を企画している。(鴻巣取締役)

■一般アイデアを募集するコンテスト(TTTドリームプロジェクト)はどうなったのか。また、次回の開催予定は有るのか。
→応募は200通来れば良いところだろうと思っていたら、3000通を超える応募が有った。コンテストの結果は「東京おもちゃショー2015」で発表した。次回の開催については、今回の受賞作品4作品の商品化を検討した上で決めるつもり。今回は4つのブランド(トミカ、プラレール、リカちゃん、ベビートイ)に限定して行ったが、次回はブランドに縛られずにオープンにやりたい。(メイ副社長)

■海外の定番ブランド(ジョンディア、ザ・ファーストイヤーズ、ラマーズ)を、日本でやる予定は有るのか。
→人口が伸びているアジアでの展開は考えている。(メイ副社長)

 最後の質疑応答終了と共にこの報告会は終了し、メイ副社長はお礼の言葉を述べて、富山社長や鴻巣取締役と共に退場しました。
 終了したのは13時49分頃で、約1時間12分の報告会でした。




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 会場を出ると、出口近辺には社員が「ありがとうございました!」と書かれた横断幕を出していました。
 会場出口からかつしかシンフォニーホールの出口に向かうには2ヶ所のルートが有るのですが、この横断幕は2ヶ所に出されており、どちらのルートを行っても見れるようになっていました。




 以上でタカラトミー第64回定時株主総会は全て終了。
 総会開始から全3部で4時間近くとなり、前回の時間を更に上回る開催時間となりました。

 昨年起きた2つの不祥事はタカラトミーの業績に大きな悪影響を与えた原因の一つとなっており、総会での質問もそれに関するものが多かったです。また新たな株主優待制度や株主総会のお土産に関する質問等、株主だけが受けられる配当金以外の利益の変更に関するものも多かったです。富山社長はこのような中での社長退任となりましたが、退任挨拶の際には多くの株主から拍手が起こっており、タカラトミーや富山社長は株主から愛されているという事を改めて感じました。
 新中期経営計画報告会では2015年3月期の最終損益が赤字になった原因の分析が報告された他、今後の展望についても語られました。最終損益が赤字になった原因の中には消費増税や急激な為替変動という日本経済全体に影響を及ぼしたものも有り、この部分についてはやむを得ない部分だったのではないかと思います。一方でメイ副社長は、会社の稼ぐ力が向上している事や今後の商品展開に関する話もしており、これらの計画の成功とそれに伴う利益の向上が期待されます。
 今回の株主総会は、例年通りの新商品展示や、昨年と同じ株主総会+新中期経営報告会という内容をそのまま残しつつも、株主限定ライブや株主限定の物販、そして各所の横断幕等、大きな追加・変更が有りました。今回の株主総会の仕掛けはメイ副社長が考えたとの事ですが、「株主を今以上に大事にしたい」という考えが十分理解出来るものになっていました。またライブについてはプリパラファンの間でも話題になったようで、これにより新しい株主を増やすと共に株価の上昇に繋ぐ可能性も出来たのではないかと思います。
 この1年間のタカラトミーの販売戦略の変更は、トランスフォーマー関連だけでも著しい変化が有りました。初めての「トランスフォーマー博」の開催に、トランスフォーマーのライセンスを取得した多数の他社商品の発売、渋谷をジャックした「トランスフォーマー/ロストエイジ」のイベント、声優さんの人気や人気監督の作風をアニメの作品作りに利用した「キュートランスフォーマー」シリーズの展開、全話を動画配信サイトでいつでも視聴可能にした「トランスフォーマー アドベンチャー」等、これまでに無い宣伝活動や商品の発売が多数行われました。それらの中でもキュートランスフォーマーは、僅か5分間のアニメを1クール放送しただけでありながらも、これまでトランスフォーマーに興味が無かった新規ファンの獲得に大きく貢献していました。またトランスフォーマー以外でも、大人向けリカちゃんやリニアモーターカーの玩具の発売決定といったニュースで話題になる新商品も多く、これらもこれまでに無い事だったと思います。これらの戦略の変更の結果が来年の株主総会の時にどのような内容で発表されるのか、期待しつつ注目しようと思います。




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 今回の株主総会のお土産。
 今回のお土産は昨年ヒットしたアニメ映画「アナと雪の女王」をモチーフにしたトミカ「ディズニーモータース グッディキャリー アナと雪の女王」と、タカラトミーアーツが販売している「ガチャ」のシリーズの一つである「カプセル大相撲 ハッキヨイ!ライトコレクション」でした。
 タカラトミーの株主総会のお土産は今回が最後となりますが、株主優待の拡充は今後も精査しつつ行って行きたいとの事なので、今後も何らかの拡充が行われる事に期待します。